米国のトランプ大統領は8月13日、輸入無人機とその部品に10~100%の追加関税を課す公告に署名した。国家安全保障上の脅威への対応と、外国製無人機への依存低減を目的としており、大部分の措置は9月3日に発効する。中国が世界の無人機産業で高いシェアを占めるなか、中国製品を念頭に置いた措置とみられている。
重量25キロ超の輸入無人機に100%関税
米政府は、最大離陸重量が25キロを超える無人機や、熱画像機能を備えた無人機などを国家安全保障上、特に機密性が高い製品に分類した。対象となる無人機本体、ドッキングステーション、一部の重要部品には100%の従価関税を課す。
サイズが小さく、国家安全保障への影響が比較的小さい無人機やその他の部品には25%の関税を適用する。新たな関税は公告への署名から21日後に当たる9月3日に発効する。
一方、特に機密性が高いとされない部品については、署名から180日後の2027年2月9日に発効する。米国防総省が公告への署名後20日以内に、米連邦通信委員会(FCC)の規制対象リストからの除外を承認した製品や部品も、同日から新たな関税が適用される。
日本やEUからの無人機は関税率15%
欧州連合(EU)、日本、リヒテンシュタイン、韓国、スイス、台湾から輸入する無人機と部品には、15%の関税率を適用する。英国からの輸入品には10%の関税率を適用する。ただし、ソフトウエア、ハードウエア、技術のほぼ全てが米国または対象となる国・地域に由来することが条件となる。
トランプ大統領は同時に、無人機や部品の製造に新規投資する企業を対象とした国内生産計画を設ける権限を、米商務長官に与えた。無人機と主要部品の生産を米国内に呼び戻し、国内の生産能力を拡大する狙いがある。
米国、無人機の海外依存を安全保障上のリスクと判断
今回の決定は、米商務省が1962年通商拡大法232条に基づいて実施した、輸入無人機と部品が国家安全保障に与える影響に関する調査結果を踏まえた。
ホワイトハウスは、無人機が現代の武力紛争で重要な技術となり、米国の現在および将来の軍事活動に不可欠だと説明した。商用・軍用無人機が海外製の主要部品に依存していることは、国家安全保障上の重大な危険やサイバーセキュリティー上の脆弱性につながるとしている。
中国DJI、米商用無人機市場で約70%
中国は世界有数の無人機生産国で、中国の大疆創新科技(DJI)は世界の無人機市場で3分の2を超えるシェアを占めるとされる。米商用無人機市場でも、2025年時点でDJIのシェアは約70%に達していた。
米国はこれまでにも、FCCを通じて一部の外国製無人機の輸入を制限したほか、外国製ロボットや電力変換装置の一部についても輸入を禁止する措置を講じている。
中国は前週、米国への無人機輸出を制限し、米国企業6社をブラックリストに加えた。米国が強制労働や国家安全保障上の問題を理由に実施した貿易制裁への対抗措置としている。
出典
- 星島頭條「特朗普關稅|美對進口無人機及部件徵收關稅 最高稅率100%」(2026年8月14日)
- 東網「劍指中國 美將對進口無人機及零件徵最高100%關稅」(2026年8月14日)
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