中国国内に事業所を置く日本企業の社長ら複数の邦人が、レアアースを含む軍民両用品の対日輸出規制に関連し、中国当局に拘束されていたことが分かった。毎日新聞が8月11日、複数の関係者の話として報じ、香港や台湾の複数メディアも伝えた。
拘束された人数や企業名、拘束場所、現在の状況などは明らかになっていない。
中国で日本企業社長ら複数の邦人を拘束
報道によると、中国では日系企業の事業所に対する立ち入り調査や、企業関係者への事情聴取が相次いでいる。
拘束された邦人の中には、中国当局から事情聴取への協力を求められ、日本から中国へ入国した後に拘束された人もいた。今回判明した拘束事案は、5月に遼寧省大連市で大手重電メーカーグループの日本人社員2人が拘束された事案の前後に発生したとされる。
大連市の2人とは別に判明した複数の拘束事案については、中国政府による公式発表は確認されていない。
大連で日本人社員2人をレアアース関連で拘束
大連市で拘束された2人はいずれも日系企業の関係者で、レアアース関連製品を中国国外へ持ち出そうとした疑いを持たれている。報道では、モーターなどに組み込まれたレアアース磁石が関係している可能性が指摘されている。
中国外務省は6月24日の記者会見で、2人の拘束を認めた。郭嘉昆副報道局長は、2人が中国の法律に違反したため、主管部門が法に基づき拘束したと説明した。中国側が個別事案の状況を日本側へ通知したことも明らかにした。
一方、違反したとされる法律や対象物品、拘束後の手続きなど、詳しい内容は公表しなかった。中国側は日本政府に対し、在中邦人と日本企業へ中国の法律を守るよう指導することも求めた。
中国が軍民両用品の対日輸出規制を強化
中国政府は2026年1月、軍民両用に利用できる物品の日本向け輸出を制限する措置を発表した。
中国商務省は2月24日、三菱造船など日本の20企業・団体を「輸出管理規制リスト」に、SUBARUなど20社を「注視リスト」に加えた。6月29日には、防衛研究所など20の企業・団体を規制リストへ追加するとともに、三井E&Sなど20社を注視リストへ加えた。
規制リストに掲載された企業・団体に対しては、中国からの軍民両用品の輸出が原則禁止される。中国国外の組織や個人が、中国原産の対象品を該当企業へ移転、提供することも禁じられる。
注視リストに掲載された企業へ輸出する場合には、通常より厳格な最終需要者と最終用途の審査が行われる。
中国側は7月、軍民両用品の違法輸出が疑われる行為について情報提供を受け付ける通報窓口を設置し、違反事例の通報を奨励した。
在中国日本大使館が輸出管理で注意喚起
在中国日本大使館は7月、在中日系企業に対し、中国の輸出管理制度に関する注意喚起を出した。中国の輸出管理法令に違反した場合、企業や関係者は罰金だけでなく、刑事責任を問われる可能性があると説明した。
日本政府は企業関係者に対し、中国当局から問い合わせや事情聴取の要請を受けた場合、外務省、経済産業省、在中国日本大使館の企業支援窓口へ事前に相談するよう呼び掛けている。
今回の報道では、中国当局の聴取要請に応じるため日本から中国へ入国し、その後に拘束された事例も明らかになった。
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(2026年8月12日)