
日本大使館が輸出管理強化に注意喚起 通報窓口設置で取り締まり拡大
【2026年7月8日 10:09時点の情報】 中国政府による軍民両用(デュアルユース)物品の輸出管理強化を受け、中国駐在の日本大使館は2026年7月7日、公式ウェブサイトに通知を掲載し、在中日系企業に対して警戒を強めるよう厳重に注意を促した。これまでに日本人が拘束あるいは逮捕される事案が発生している事態を踏まえ、大使館は日系企業が中国当局から関連する輸出管理問題に関与しているとの疑いを持たれた場合、直ちに大使館に連絡して相談や協力を求めるよう強く推奨している。
日本大使館が発表した通知内容によると、中国商務省は本年1月、2月、6月に対日輸出規制措置を発表した。さらに7月1日には、中国商務省がデュアルユース品目を違法に輸出している疑いのある行為に対して通報窓口を設定した。一定の典型事例に関して社会からの通報を奨励するなど、中国当局による審査および取り締まりは引き続き全面的に強化されている状況である。
輸出管理に関する法令に違反する場合、その違反行為は罰金のみならず、刑事罰の対象となり得るとされている。日本政府は我が国に対する一連の輸出規制措置について、中国政府に強く抗議し撤回を求めてきている。しかし、実際には邦人が国家輸出入禁止貨物密輸罪に抵触した容疑で中国当局に拘束される事案も発生している。
こうした情勢から、大使館は中国ビジネスに従事する関係者に対し、中国との日々のビジネスを進めていく上で中国から日本にデュアルユース品目を輸出する際には、上記の状況等を踏まえて行動するよう求めている。特に中国当局から何らかの疑義が提起された場合など、不安な点がある場合には、在中国日本国大使館の連絡先まで連絡あるいは相談するよう呼びかけている。
富士電機の日本人社員2人が大連で正式逮捕 レアアース密輸容疑
日系企業が直面している具体的な事案として、2026年5月に中国遼寧省大連市において、日本の重電大手である富士電機グループの日本人社員2人が中国当局に拘留された。この2人は、軍民両用の物品に該当するレアアースを不法に輸出した疑いが持たれており、「国家が輸出入を禁止する貨物の密輸罪」に抵触したとされている。中国当局はその後、2026年6月にこの社員2人に対して正式な逮捕を執行した。
共同通信の報道による分析では、中国の輸出管理がエスカレートするにつれて、中国が重要鉱物の輸出を制限したことによる供給不足が日本経済全体に波及し始めている。これにより、日本政府や企業は代替案となる代替サプライチェーンの確保を急がざるを得ない状況へと追い込まれている。また、中国で活動する日系企業の間では、自社や取引先が意図せず規制に巻き込まれる連座を懸念する声も広がっている。
日本経済全体への波及と経団連会長の遺憾表明 訪中計画は目処立たず
中国側による相次ぐ規制強化に対し、日本の経済界からも強い反発や懸念の声が上がっている。日本経済団体連合会(経団連)の筒井義信会長は先日の記者会見において、中国が日本企業や団体に対して軍民両用物品の輸出管理措置を追加で実施したことについて「極めて遺憾であり、撤回を求める」と強い口調で表明した。筒井会長は、本年1月以降に断続的に強化されている一連の輸出規制措置の影響が、すでに経団連の会員企業にも広く拡大していると指摘した。
さらに、経団連、日中経済協会、日本商工会議所(日商)の経済3団体のトップが率いる訪中団の派遣計画について、筒井会長は「具体的な調整や日程は未定」と言及した。この経済3団体による訪中計画は、本年1月に延期されて以降、現在に至るまで訪問再開の具体的な目処は依然として立っていない。中国ビジネスを展開する日系企業は、強化される法執行への厳格なコンプライアンス確認と、不測の事態への備えが必要不可欠となっている。
