中国で相次ぐ重大労災事故 工場爆発や鉱山落盤など

中国では、工場や鉱山で多数の死者を出す事故が相次いでいる。2026年9月20日には広東省仏山市の紡織工場で火災が発生し、8人が死亡、1人が負傷した。同月には山東省青島市の造船所で修理中の貨物船が炎上し、25人が死亡した。7月には福建省晋江市の靴工場火災で28人、5月には山西省の炭鉱爆発で少なくとも82人、湖南省の花火工場爆発で37人が死亡した。事故の形は異なるが、避難経路の確保や危険な作業工程の管理、作業員の所在把握が問われている。[1~5]

中国の工場・鉱山で起きた主な重大労災事故

発生日 地域・施設 事故と記事に記載された被害 AlertChina記事
2026年9月20日 広東省仏山市・順徳区均安鎮の紡織工場 工場火災。8人死亡、1人負傷。現場と周辺から63人が救助または避難 仏山の紡織工場火災
2026年9月10日 山東省青島市・青島北海造船 修理中の貨物船で火災。25人死亡、5人負傷。死傷者が船員か作業員かは記事時点で未公表 造船所の貨物船火災
2026年7月9日 福建省晋江市・輝騰鞋業 靴工場火災。28人死亡 晋江の靴工場火災
2026年5月31日 雲南省会沢県・無許可のリン鉱採掘場 斜面崩落。5人死亡、1人負傷 雲南の鉱山崩落
2026年5月22日 山西省沁源県・柳神峪炭鉱 ガス爆発。記事時点で82人死亡、2人不明、128人負傷 事故記事/監督逃れに関する続報
2026年5月4日 湖南省瀏陽市・華盛煙花製造燃放 花火工場の爆発。5月8日時点で37人死亡、1人不明、51人入院 別の火災記事の本文中
2026年4月6日 甘粛省玉門市・甘粛金特化学 化学工場火災。3人死亡、2人負傷 玉門の化学工場火災
2026年4月1日 山西省興県・中煤関家崖煤業 炭鉱の落盤。4人死亡 関家崖炭鉱の落盤
2025年12月31日 江西省進賢県・江西隆萊生物製薬 製薬工場で窒息事故。3人死亡、3人負傷 江西の製薬工場事故
2025年12月24日 雲南省鎮雄県・大営炭鉱 石炭・ガス突出の疑い。12月25日の記事時点で4人死亡、3人不明 大営炭鉱の事故
2025年9月29日 河南省鶴壁市・鶴鑫化工 化学工場の有毒ガス事故。5人死亡、3人負傷 鶴壁の化学工場事故
2025年5月27日 山東省高密市・友道化学 化学工場爆発。事故直後は5人死亡、6人不明、19人負傷。後の調査結果は10人死亡、2人不明、19人負傷 友道化学の爆発
2025年2月15日 山東省青島市・青島仟佰味食品配料 調味料工場の粉じん爆発。5人死亡 青島の粉じん爆発
2024年5月9日 湖北省老河口市・化学工場 ニトロセルロースの爆発。3人死亡 湖北と遼寧の工場事故
2024年1月12日 河南省平頂山市・天安煤業の炭鉱 ガス突出。1月14日時点で13人死亡、3人不明 平頂山の炭鉱事故
2023年3月19日 貴州省黔西市・炭鉱 ガス突出。6人死亡 貴州の炭鉱事故
2023年2月26日 四川省巴中市南江県・鉱山 落盤。5人死亡、3人重傷 貴州の炭鉱事故の本文中
2023年2月22日 内モンゴル自治区アルシャー盟・露天掘り炭鉱 崩落。記事記載時点で6人死亡、47人不明、6人負傷 貴州の炭鉱事故の本文中
2022年7月23日 甘粛省白銀市・甘粛泓勝煤業 炭鉱の落盤。10人死亡 鉱山労災に関する記事の本文中
2022年3月14日 内モンゴル自治区包頭市・包頭鋼鉄 脱硫剤工場の火災。7人死亡 包頭鋼鉄の工場火災
2021年10月(日付未詳) 内モンゴル自治区アルシャー盟・農薬工場 爆発。4人死亡、3人負傷 包頭鋼鉄の記事の本文中

注:被害数は各記事の記載時点の数字。友道化学については後の調査結果も併記した。

2026年――紡織工場、造船所、靴工場、炭鉱で多数の犠牲者

9月20日午後、広東省仏山市順徳区均安鎮にある紡織会社の工場で火災が発生し、8人が死亡、1人が負傷した。火災は2階建ての賃貸工場で発生し、焼損面積は約200平方メートルに及んだ。現場はジーンズ生地の洗浄工程などに使われる分割利用の紡織工場だった。[1]

目撃者によると、工場内の事務所が停電してから1分足らずで濃煙が発生した。火は午後4時過ぎに消し止められ、捜索救助も終了した。現場と周辺から63人が救助または避難した。工場内の他の区域には延焼せず、負傷者の容体は安定しているという。出火原因については調査が続いている。[1]

9月10日、山東省青島市の青島北海造船で、修理中の貨物船から出火した。船内にいた42人のうち25人が死亡、5人が負傷した。死傷者が船員か修理作業員か、その内訳は記事掲載時点で公表されていない。[2]

7月9日には福建省晋江市の靴製造会社、輝騰鞋業の工場で火災が発生し、28人が死亡した。現場にいた作業員ら239人のうち213人は避難した。AlertChinaによると、階段室や通路に置かれた靴底などの資材が消防隊の救助を妨げた。[3]

5月22日には山西省沁源県の柳神峪炭鉱でガス爆発が起きた。同月26日までに少なくとも82人が死亡、2人が行方不明となり、128人が入院した。ロイター通信は事故後の予備調査を基に、炭鉱側が実際の採掘状況を示す図面と検査用の図面を使い分け、一部の坑道を当局の監督から隠していたと報じた。岩壁に似せた扉も設けられていたという。[4、6]

下請け作業員の一部は公式の入坑記録に載らず、所在を確認する装置も装着していなかった。事故当時の公式記録では入坑者は124人だったが、実際には247人が坑内で作業していた。正確な図面と位置情報の欠如は、爆発後の捜索・救助も難しくした。ロイターによると、同炭鉱は2025年にも採掘現場の隠蔽を指摘され、処分を受けていた。ただし、爆発の直接原因は調査中としている。[6]

5月4日には湖南省瀏陽市の花火工場で爆発が発生し、同月8日時点で37人が死亡、1人が行方不明となった。4月6日には甘粛省玉門市の化学工場で火災が起き、作業員3人が死亡、2人が負傷した。[5、7]

2025年――化学工場の爆発や有毒ガス事故

12月31日、江西省進賢県の製薬工場で窒息事故が発生し、3人が死亡、3人が負傷した。これに先立つ12月24日には、雲南省鎮雄県の大営炭鉱で石炭・ガス突出が疑われる事故が起きた。翌日の記事時点で4人が死亡、3人が行方不明となっていた。[8、9]

11月13日には福建省泉州市の石油精製プラントで火災が発生し、7人が負傷した。9月29日には河南省鶴壁市の化学メーカーで有毒ガス事故が起き、5人が死亡、3人が負傷した。[10、11]

5月30日には河北省武邑県の化学工場で煮沸釜が爆発し、5人が死亡、2人が負傷した。その3日前の27日には、山東省高密市の化学メーカー、友道化学の工場で爆発が発生した。事故翌日の発表では5人死亡、6人行方不明、19人負傷だったが、その後公表された調査結果では死者10人、行方不明者2人に更新された。事故直後の数字と後日の調査結果を区別する必要がある。[12~14]

さらに2月15日には、山東省青島市の調味料工場で設備の試運転中に粉じん爆発が起き、5人が死亡した。AlertChinaは、粉じんを扱う設備に爆発防止対策が施されていなかったと伝えている。[15]

安全管理上の問題――企業と監督当局の双方に焦点

各事故の原因を一つにまとめることはできない。一方、晋江の靴工場では通路上の資材が避難・救助を妨げ、青島の調味料工場では粉じん爆発対策の不足が指摘された。柳神峪炭鉱では、隠された坑道と不正確な入坑記録が、監督だけでなく事故後の救助にも影響した。[3、6、15]

柳神峪炭鉱の事故後、地元の沁源県党委員会書記が規律・法律違反の疑いで調査対象となったと、ロイター通信が報じた。企業の違反行為を監督側がなぜ防げなかったのかにも調査が及んでいる。ただし、幹部が調査対象になったことをもって、事故への関与や責任が確定したとはいえない。事故原因と監督上の責任は、調査結果に沿って判断する必要がある。[16]

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  6. 甘粛省の化学工場火災
  7. 江西省の製薬工場における窒息事故
  8. 雲南省大営炭鉱の事故
  9. 福建省の石油精製プラント火災
  10. 河南省の化学工場における有毒ガス事故
  11. 河北省の化学工場爆発
  12. 友道化学の爆発事故
  13. 青島市の調味料工場における粉じん爆発

その他の出典URL

  1. ロイター通信・山西省炭鉱の隠された坑道などに関する調査報道
    https://www.reuters.com/world/china/hidden-tunnels-fake-doors-china-probes-mining-tragedy-that-killed-82-2026-05-26/
  2. 友道化学の事故調査結果を伝える報道
    https://finance.sina.com.cn/wm/2025-08-05/doc-infixqhr4692570.shtml
  3. ロイター通信・沁源県党委員会書記への調査
    https://www.reuters.com/world/china/local-party-chief-probed-after-82-killed-chinese-mining-tragedy-2026-06-02/
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