中国洪水・土砂災害特集 最新の豪雨・水害情報まとめ

A densely built town flooded, with muddy water filling streets and surrounding buildings partly submerged beneath the flood. Explains widespread inundation of the area as mountains loom in the distance.

中国洪水・土砂災害特集 最新の豪雨・水害情報まとめ

中国では毎年6月から9月にかけて雨季を迎え、各地で洪水や土砂災害が発生している。近年は異常気象の影響もあり、長江流域や華南地域を中心に記録的豪雨による被害が頻発している。本ページでは、中国で発生した主な洪水・水害・土砂災害に関する情報をまとめる。

2026年9月 四川、海南、江西などで洪水・土砂災害相次ぐ

四川省攀枝花市で泥石流、5人行方不明

四川省攀枝花市塩辺県格薩拉郷支六河村で9月18日午後11時ごろ、攀塩高速道路の石家溝トンネル外側で泥石流が発生し、5人が行方不明となった。四川省は地質災害三級応急対応を開始し、応急、消防などの救援隊が行方不明者の捜索と復旧活動を進めている。

当局は翼竜無人機を現場に派遣し、通信の復旧と上空からの偵察を実施。危険区域を設定するなど、二次災害を防ぐための対応も進めている。

四川省茂県で大規模な山崩れ、161人を事前避難

四川省アバ・チベット族チャン族自治州茂県で9月16日午前8時40分、大規模な山崩れが発生し、岷江の河道と国道213号が土砂や岩石でふさがれた。現場は茂県畳渓鎮石大関村の定子壩で、国道213号茂県区間の2029キロ地点付近。当局は不安定な山体を以前から監視しており、8月24日までに危険区域の住民161人を避難させていたため、人的被害はなかった。

岷江上流からの水は水力発電所の設備を通じて別経路へ流され、16日の発表時点で洪水などの危険は生じていない。国道213号は現場周辺で双方向の通行が規制された。

海南省五指山市で記録的豪雨、14人救助

海南省五指山市通什鎮で9月14日午前、記録的な豪雨による洪水が発生し、農業施設と周辺の住宅に取り残された住民14人が消防に救助された。全員が安全な場所へ移され、けが人はいなかった。

五指山市では13日午前11時から14日午前11時までの24時間降水量が616.2ミリに達し、1958年の観測開始以来最大を記録した。道路の冠水や車両の流失、停電などが発生し、都市ガス管や上下水道管も損傷した。海南省全体では14日午前8時までに危険地域から4万2000人余りが避難した。

江西省遂川県で土石流、12人死亡・1人不明

江西省吉安市遂川県高坪鎮の明坑村石下地区で9月5日午前4時ごろ、台風18号(ソウデル)に伴う大雨により土石流が発生した。8日午後6時までに12人の死亡が確認され、1人が行方不明となった。

土石流は住宅12棟を巻き込み、8棟が全壊、4棟が一部損壊した。12の専門隊から計170人余りが投入され、大型重機を使った捜索が続けられた。県内では5300人余りが安全な場所へ避難した。

台風18号が福建省に再上陸、浙江省でも浸水

台風18号(ソウデル)は9月3日午前6時30分ごろ、福建省漳州市漳浦県古雷鎮付近に上陸した。福建省や浙江省では台風と周辺の湿った空気などの影響で豪雨が続き、道路の寸断や住宅、工場、倉庫の浸水が発生した。

福建省北部の寧徳市では土砂崩れや路面の陥没で複数の道路が寸断された。浙江省温州市瑞安市では複数の靴工場と倉庫が浸水し、ある倉庫では約8000足の靴が浸水または流出した。

2026年8月 雲南と中国・ネパール国境でも大規模災害

雲南省磨憨鎮で洪水・土砂災害、8000人超避難

雲南省西双版納傣族自治州勐腊県磨憨鎮では8月28日から30日にかけて強い雨が続き、河川の水位が急上昇した。低地や一部の村で浸水が発生し、家屋がほぼ水没したほか、山間部や斜面では土砂崩れや落石が起きた。

避難者は29日午後4時時点の502戸2226人から、30日午前には8000人を超えた。当局は防汛Ⅱ級の緊急対応を開始し、1500人余りの救援要員を投入した。

中国・ネパール国境で大規模土石流

中国チベット自治区とネパールの国境地帯で8月26日に大規模な土石流・洪水が発生した。8月31日掲載の記事によると、両国の死者は少なくとも797人、行方不明者は3048人に達した。中国側ではチベット自治区シガツェ市吉隆県の吉隆口岸が大きな被害を受け、16人が死亡、546人が行方不明となった。

中国科学院成都山地災害・環境研究所などの調査では、ネパール国内の標高約5200メートル付近で発生した氷河崩壊が原因とされた。崩落した氷や岩石は巨大な土石流となって約22キロを流下し、吉隆口岸を直撃した。

台風13号で北京・河南に記録的豪雨

台風13号(ドルフィン)の周辺から流れ込む湿った空気と冷気の影響で、26年8月、北京市と河南省が記録的な豪雨に見舞われた。北京では順義区後沙峪で1時間に88.5ミリを観測し、一部の道路が歩行者の腰の高さまで冠水した。市当局は洪水防止の緊急対応を2級に引き上げ、工事現場3357カ所の工事を中止したほか、福祉施設の入居者ら計5123人を安全な場所へ移した。河南省では平頂山市葉県常村で356.9ミリを観測し、2万7191世帯、計6万5593人が避難した。各地で休校や休業、操業停止、交通規制などの措置が取られた。

河南省で北汝河の堤防が40メートル超決壊

河南省平頂山市郟県では8月12日夜、極端な大雨と上流ダムの放流による増水で、北汝河の堤防が幅40メートル余りにわたって決壊した。地元当局は13日午前3時までに周辺住民2182人を避難させ、取り残された人や死傷者は確認されていない。現場には2800人を超える救助要員が投入され、大型機械が入りにくいため、人力で砂袋や砂利を運び、堤防の補強と決壊部分の封鎖を進めた。同日午前8時までに河川の流量と水位は低下した。

2026年7月 全国で台風や豪雨被害

26年7月も豪雨の被害が相次いだ。

台風10号(メイサーク)の影響により広西チワン族自治区では記録的豪雨となり、河川の氾濫や堤防決壊などで洪水被害が拡大した。住宅や農地の浸水、道路の寸断が相次ぎ、多数の住民が避難を余儀なくされた。

一方、台風9号(バービー)の影響では、中国北方でも豪雨となり、遼寧省や河北省で河川の増水や浸水被害が発生した。河北省では洪水調節のため放水区(遊水地)が運用され、大規模な住民避難が実施されたほか、一部地域では住民と当局の間で混乱も生じた。

中国では南部だけでなく華北や東北地方でも豪雨災害が発生するケースが増えており、各地で洪水や土砂災害への警戒が続いている。

また、豪雨の影響は中国内陸部にも及んだ。甘粛省隴南市宕昌県では2026年7月7日、断続的な大雨により国有林で大規模な山崩れが発生し、作業員33人が土砂に巻き込まれた。救助活動の結果、21人が死亡、7人が負傷し、5人が無傷で救出された。中国当局は国家地質災害4級応急対応を発動し、消防や応急管理部門などによる大規模な救助活動を実施した。

さらに7月17日には、重慶市彭水ミャオ族トゥチャ族自治県で大規模な土砂崩れが発生した。18日までに8人の死亡が確認され、34人が行方不明、10人が負傷したほか、18人が救助された。崩落した土砂は約1万8000立方メートルに達し、現場では二次崩落の危険が続く中、消防や専門救助隊、医療チームなどによる大規模な救助活動が続けられた。当局は国家地質災害2級緊急対応を発動し、周辺住民1100人以上を避難させるなど警戒を強めている。

2026年6月 中国南部で豪雨災害が拡大

2026年6月には湖北省宣恩県で洪水が発生し、死者・行方不明者が発生した。

続いて重慶市では記録的豪雨により河川が氾濫し、11人が死亡、11人が行方不明となった。

さらに広東省では1日600ミリを超える豪雨が観測され、各地で道路冠水や住宅浸水が相次いだ。湖南省、江西省、広西チワン族自治区などでも洪水警報が発令され、多数の住民が避難した。

2025年も続いた豪雨被害

2025年も洪水リスクが継続した。長江流域では増水への警戒が続き、中国当局は各地で防災体制を強化した。

中国の気象当局は近年、短時間に集中する豪雨が増加していると警告しており、都市部では地下道や道路の冠水、山間部では土石流や土砂崩れが発生しやすい状況が続いている。

2024年に起きた洪水と土砂災害

中国の洪水被害は主に長江流域、珠江流域、華南地域、西南部山岳地帯で発生する。特に湖北省、湖南省、広東省、広西チワン族自治区、四川省、重慶市などでは毎年のように豪雨災害が発生している。

2024年7月には湖南省資興市で台風の影響による大規模洪水が発生し、死者50人、不明者15人となった。また湖北省恩施州咸豊県でも市街地が冠水し、多数の住民が避難を余儀なくされた。

2024年8月には広東省と福建省で洪水被害が拡大し、中国当局は防汛緊急対応を発動した。さらに同年10月には広西チワン族自治区で「100年に一度」とされる洪水が発生し、住宅やインフラに大きな被害が出た。

中国滞在者への注意点

中国では洪水発生時に交通機関の運休や道路閉鎖が頻繁に発生する。特に山間部では土砂崩れや土石流による被害が発生しやすいため、豪雨警報発令時には不要不急の移動を避けることが重要である。

また、地下道やアンダーパスは短時間で冠水するケースがあり、徒歩や車での通行は危険を伴う。中国へ渡航・滞在する日本人は現地気象情報や地方政府の防災情報を確認しながら行動する必要がある。

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