中国で相次ぐ無差別殺傷事件 車両暴走と刃物襲撃の実態

中国では近年、自動車や重機を用いた群衆突入事件、刃物による通り魔事件が相次いでいる。被害者と加害者に面識がないケースも多く、学校、商業施設、観光地、駅周辺など不特定多数が集まる場所が標的となっている。

2024年11月の広東省珠海市における大規模車両突入事件以降も、北京市、上海市、四川省などで同様の事件が続いている。中国のインターネット上では、個人的な不満や生活苦を背景に無関係な他人を襲う行為について、「社会への報復」や「社会に対する復讐型犯罪」と呼ぶ議論も広がっている。

車両暴走事件の増加

近年の中国では、自動車や重機を凶器として利用する事件が目立っている。2024年11月11日の珠海市事件では35人が死亡し、近年の中国で発生した無差別殺傷事件として最大規模となった。

その後も2026年3月13日の成都市金牛区事件、同年5月1日の成都市高新区事件、3月29日の北京市房山区重機突入事件などが発生しており、学校周辺やイベント会場、繁華街など人が集まる場所への警戒が続いている。

刃物による通り魔事件も継続

刃物を用いた無差別襲撃事件も後を絶たない。

2024年9月30日の上海市松江区事件では3人が死亡した。2026年5月19日には上海市浦東新区の日本料理店で日本人2人を含む3人が負傷した。

また雲南省では男が通行人を無差別に襲撃し、2人が死亡、7人が負傷する事件も発生している。

過去には幼稚園や小学校が標的となった事件もあり、児童や保護者が犠牲となるケースも報告されている。

背景にある「社会への報復」

これらの事件の背景として、中国では経済停滞、不動産不況、失業問題、家庭問題などによる社会不満の蓄積が指摘されている。

事件ごとの動機は異なるものの、加害者と被害者に直接の関係がないケースが多い。このため中国のネット上では、社会全体に対する怒りや不満が無関係な他人へ向かう「社会への報復」という見方が広がっている。

中国当局は学校や公共施設周辺の警備強化を進めているが、同様の事件は現在も発生しており、根本的な解決には至っていない。

在中邦人への注意点

在中邦人や訪中旅行者は、駅、商業施設、学校周辺、イベント会場、観光地など人が密集する場所では周囲の状況に注意する必要がある。

異常な速度で接近する車両や、不自然な行動を取る人物を見かけた場合は速やかにその場を離れ、安全な場所へ避難することが重要である。

主な無差別殺傷事件一覧(2024~2026年)

発生日場所手口概要
2024年9月30日上海市松江区刃物スーパーで刃物襲撃。3人死亡、15人負傷
2024年11月11日広東省珠海市車両突入車が群衆に突入。35人死亡、43人負傷
2024年11月19日湖南省常徳市車両突入小学校前で車両突入。児童や保護者らが負傷
2026年3月13日四川省成都市金牛区車両暴走車両暴走。1人死亡、6人負傷
2026年3月29日北京市房山区重機突入バザール会場に重機が突入。複数の死傷者が発生
2026年5月1日四川省成都市高新区車両突入歩行者に車が突入。1人死亡、11人負傷
2026年5月19日上海市浦東新区刃物日本料理店で刃物襲撃。日本人2人を含む3人負傷
2026年(日時未詳)雲南省刃物男が通行人を襲撃。2人死亡、7人負傷

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