
重慶の記録的豪雨被害、死者11人に拡大 11人不明
重慶市を中心に中部地域を襲っている豪雨災害で、地元当局の最新の通報によると、一連の水害と土砂災害による重慶市全体の死者は11人、行方不明者は11人に上った。甚大な被害が出ている西部遠郊の永川区で死傷者がさらに増加したほか、新たに北碚区でも死者が確認され、被害規模が拡大している。中国メディアの央広網などが伝えた。
永川区では23日深夜からの局地的な猛烈な豪雨により、2時間で296.6ミリメートルという驚異的な雨量を記録。広大な山間部で急激な出水や崖崩れが相次ぎ、同区内だけで9人が死亡、11人が行方不明となっている。さらに北碚区でも2人の死亡が確認された。
現地では1827人体制で懸命な捜索救助活動と、道路やライフラインの復旧作業が急ピッチで進められている。永川区内ではこれまでに2141人が避難を完了し、42カ所の指定避難所が設置された。中国政府は前日に「国家四級救災応急対応」を始動し、中央予算から2000万元を緊急拠出した。4回にわたる支援物資の搬入を完了した。一部地域で断水や停電、冠水が続くなか、避難住民の生活確保とインフラの早期再建を急いでいる。
重慶市永川区および北碚区を襲った極端気象のメカニズムと被害実態
今回の豪雨災害で最も深刻な土砂災害や急激な出水(山洪)に見舞われたのが重慶市永川区である。同区の茶山竹海街道では、5月24日の午前2時から4時までのわずか2時間で、最大雨量296.6ミリメートル、最大1時間雨量103.6ミリメートルという、5月の観測史上最高値を突破する恐れがあるほどの激しい降雨を記録した。太平洋高気圧の北上にともなって南寄りの暖湿気流が大量の水蒸気を送り込み、さらに低気圧(低渦)が形成されたことで、局地的な上昇気流が強まり猛烈な雨をもたらした。
映画『LOVERS』のロケ地として知られる景勝地でもある茶山竹海街道や中山路街道、双石鎮などの広大な山間部において、この短時間の驚異的な雨量は現地の排水能力および地質の許容限界をはるかに超えた。結果として、散発的かつ大規模な山腹崩壊(山崩れ)や土石流が同時多発的に引き起こされ、多くの民家が損壊。永川区内だけで9人が死亡、11人が行方不明となる甚大な人的被害へ発展した。さらに被害は同区にとどまらず、隣接する重慶市北碚区興隆鎮でも23日深夜から24日午前にかけて豪雨が降り、3時間で122.9ミリメートルを観測。同区内でも2人の死亡が確認され、重慶市全体での死者は計11人に拡大している。
1800人超を動員した救助活動とライフライン復旧の進捗
災害発生後、重慶市および永川区の両政府は速やかに応急対応を始動し、大規模な救助戦力を一斉に投入した。現場には、現地の幹部や民兵、ボランティアら1367人に加え、消防や藍天救助隊、華岩救助隊などの専門的な応急救助人員460人を含む、計1827人が出動。大型装備63台や千台以上の中小型救助装備、モーターボートなどを駆使し、行方不明者の捜索と道路の寸断箇所の復旧に全力を挙げている。
インフラの復旧作業も急ピッチで進められている。交通面では、区交通運輸委員会が人員120人余りと機械設備25台を投入し、寸断されていた主要道路など25か所の寸断箇所をすでに復旧させた。冠水が引いていない路面などを除き、大部分の路線が25日夕方までに開通した。ライフライン面では、区経済情報化委員会が通信、ガス、電力各社と連携し、基地局30か所の再開、628世帯へのガス供給再開、変圧器52基の緊急修理を完了。3か所の浄水場が復旧し、3.3万人への給水が再開した。ただし、依然として道路損壊の激しい茶山浄水場周辺は管路の点検ができておらず、現在は給水車を組織して住民の生活水を保障している。
国家級の救災対応と広域的なサプライチェーン防衛への影響
中国政府(国家防災減災救災委員会)は、重慶市の深刻な洪水および地質災害に対し、「国家四級救災応急対応」を始動。現地へ工作組(作業部会)を直ちに派遣し、被災住民の基本的生活保障の確保に向けた直接的な指導を開始した。財政面からは、国家発展改革委員会が重慶市の抗災・復旧活動を支えるため、中央予算から2000万元(約4億2000万円)の災害救助資金を緊急投入することを決定。被災した道路や橋梁などのインフラ、学校や病院などの公共サービス施設の災害後再建に重点的に使用される。
永川区ではこれまでに1113世帯・計2141人の緊急避難を完了させ、42か所の指定避難所(最大9005人受け入れ可能)に697人を収容、残る1444人は親族宅などへ分散避難させた。応急管理部門や商務部門は、保供企業3社および末端店舗8店舗を組織し、初期の2時間以内に即席食品や雨具などの第1陣物資936キログラムを搬入。現在はモバイルバッテリーや衣類、生活必需品などを含む第4陣(8800キログラム)までの物資がすべて到着し、避難生活の維持に万全を期している。さらに二次災害を防ぐため、24の鎮・街道で累計1396か所の危険箇所の調査が進められており、446か所で修復が完了した。
今回の豪雨帯は重慶だけでなく、河南省中南部から長江中下流までの中部地域へ広範囲に拡大しており、水利部は河南省や陝西省などを含む計7省・市において洪水防御応急対応を敷き、ダムや水利工程の安全管理を徹底している。とりわけ湖北省武漢市では、10級以上の雷雨を伴う強風と記録的な大雨により最高位の赤色アラートを発令。集会の禁止、休校、休業を要請する事実上の都市活動停止措置に踏み切るなど、中部地域の産業構造や経済サプライチェーンへの二次被害を防ぐための厳戒態勢が続いている。
[出典]
[関連情報]
- 中国各地で豪雨被害拡大 重慶で17人不明、湖南・貴州でも死傷者
- 広東省で記録的大雨 深センなどで道路冠水
- 福建省で豪雨続く 土砂災害や河川氾濫相次ぐ
- 中国南部で豪雨被害拡大 数万人避難
- 江西省で豪雨 鉄道運休や停電発生
- 四川省で豪雨災害 道路寸断や住民避難続く
- 湖南省で豪雨 河川水位上昇で警戒強まる
- 中国南方で豪雨続く 広西・広東で洪水被害
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