人権団体セーフガード・ディフェンダーズは11月6日、オランダ・ハーグで開かれた対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)の会議で、中国の党・司法・警察機関などにつながる海外連絡拠点を91カ国で少なくとも1247カ所確認したとする調査結果を公表した。同団体は、海外の中国系住民らへの監視や圧力に使われる組織網の一部だと主張している。
報告書の題名は「A Formula for Repression: China’s Global Grid for Community Control」。同団体が2022年に公表した海外警察拠点の調査に続き、公安機関だけでなく、検察、裁判所、司法行政機関、中国共産党の統一戦線工作部、帰国華僑連合会などと海外団体の結び付きを調べた。
今回の1247カ所は同団体が独自に分類・集計した海外連絡拠点の数であり、91カ国の政府が違法な警察施設と認定した数ではない。名称や外観が警察署に似た建物だけを数えたものでもなく、華僑団体などを通じた連絡網を対象としている。
報告書の中国語要約によると、調査は中国の党組織、統一戦線工作部、華僑関連組織、公安、検察、裁判所、司法局、中央・地方メディアなどが公表した資料に基づく。中国国内の地域ごとの情報収集・管理の仕組みが、海外の中国系社会にも展開されているとの分析を示した。個々の資料の存在と、それを監視網と評価する同団体の分析は区別される。
同団体のローラ・ハース氏は、警察の看板が取り外されても、地域サービスの仕組みの下で活動が続いていると主張した。中央社は、ハース氏が海外の香港出身者や台湾人も中国側から対象とみなされる可能性を指摘したと伝えた。
IPACの年次会合には30カ国から52人の議員が出席した。参加者は域外からの干渉への対策として、外国代理人登録制度の導入や、統一戦線工作部につながる団体の登録義務付けなどを求めた。これらは会議で示された政策提言であり、各国で同じ制度が既に施行されたという意味ではない。
報告書は、中国側が2022年の問題表面化後に海外警察拠点を閉鎖したと説明したことに対し、関連ネットワークが拡大していると反論している。一方、今回確認した資料では、1247カ所という最新の集計に対する中国政府の個別の反応や、各国当局による全拠点の検証結果は確認できていない。
本報告が示すのは、人権団体が公表資料を調べてまとめた拠点の一覧と組織関係の分析である。各拠点が行った具体的な行為や現地法違反の有無については、それぞれの国・地域での調査や司法手続きによる判断が別途必要となる。
