南シナ海で進む中国の「許可」体制

英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のチャールズ・ピアソン氏は、中国が南シナ海で領有権を主張するだけでなく、他国が活動する際に中国の許可を必要とする仕組みを段階的に作り上げていると論じている。こうした仕組みを定着させることで、中国が海域を管理する権限を持つかのような状態を作ろうとしているという。

その例として挙げるのが、フィリピンによるセカンド・トーマス礁への補給活動だ。中国は、この補給活動を自国の承認が必要な行為と位置付け、フィリピンの活動を認めるかどうかを中国側が判断する姿勢を示している。

ピアソン氏によると、中国は漁業の禁止や自然保護区の設定に加え、海警局による巡視や人を拘束する権限などを組み合わせている。中国が管轄する法的根拠が明確でない海域でも、こうした規制や取り締まりを繰り返すことで、事実上の管理を定着させようとしていると分析する。

また、2016年の仲裁判断や米国による「航行の自由」作戦だけでは、中国が日常的に進める規制や取り締まりを変えるには不十分だと指摘する。対抗策として、フィリピンに対し、自国の活動に中国の許可が必要だという仕組みを認めない姿勢を維持するよう求めている。さらに、中国の威圧行為を記録・公表して実態を広く知らせること、他国と連携して中国の許可を必要とする仕組みを認めない立場を示すこと、海上で対応する海警機関の能力を強化することを提案している。

出典

チャールズ・ピアソン、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)
原記事:https://www.rusi.org/explore-our-research/publications/commentary/china-not-just-claiming-south-china-sea-it-learning-govern-it

タイトルとURLをコピーしました