独仏、米通商法301条型の対中措置を提案へ 中国は対抗措置を警告

ドイツとフランスが、中国に対して強力な貿易制限を発動できる新たな仕組みの整備を欧州連合(EU)に求める共同文書を準備している。米通商法301条に似た権限を欧州委員会に与える構想で、中国商務省は9月29日、中国企業や製品に差別的な制限を設ければ「断固として対応する」と警告した。10月に予定される中国・EUの貿易投資協議を前に、通商政策を巡る対立が表面化した。

構想の詳細は、米調査会社ロジウム・グループで欧中関係を担当する上級顧問ノア・バーキン氏が欧州当局者への取材を基に伝えた。現時点で確認できるのは独仏による提案の準備であり、EUとしての導入決定や具体的な対象品目、関税率が発表されたわけではない。

既存の反威圧措置を改める案も

バーキン氏によると、共同文書はマクロン仏大統領とメルツ独首相の承認を経て、フォンデアライエン欧州委員長に提出される見通しだ。制度の具体的な設計は欧州委員会に委ねる想定で、早期に内容を固めても、利用できるようになるのは早くて2027年という。

選択肢の1つは、EUが既に持つ「反威圧措置(ACI)」の発動条件を緩める方法だ。新制度を一から作るより短期間で対応できる可能性がある。

欧州委員会の説明では、ACIは域外国が貿易や投資の制限、またはその威嚇を通じ、EUや加盟国の政策判断を変えさせようとする行為に対処する制度である。対象となる経済的威圧の有無を調べ、相手国との協議でも解決できない場合、最終的な手段として対抗措置を取る。措置の範囲は物品貿易だけでなく、サービス、投資、公共調達などにも及ぶ。

独仏が求めているとされる変更は、加盟国の一定数の賛成を得て発動する方式から、一定数の反対がなければ措置を進められる方式への転換だ。ただし、これも取材で明らかになった案であり、制度改正が決定したものではない。

中国、協議への影響を指摘

中国商務省は、報じられた構想を「保護主義、単独主義の典型的な措置」と批判。中国・EU間の貿易と世界の生産・供給網の安定を損ない、世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易体制にも打撃を与えると主張した。

また、双方は貿易投資協議の枠組みで懸案の解決を探っているとして、対話を続けながら中国への圧力を強めれば、相互信頼を損ね、協議全体を妨げると指摘した。

中国側の具体的な対抗措置は発表されていない。ロイターは9月30日、中国紙・環球時報が匿名の関係者の見解として、差別的な措置に関する調査や産業・供給網の安全調査、国外の補助金による影響の調査などを挙げたと伝えた。これらは現段階では可能性の指摘にとどまる。

10月に第2回貿易投資協議

中国とEUは6月末、ブリュッセルで貿易投資協議の初会合を開催した。中国の王文濤商務相と、欧州委員会のシェフチョビチ貿易・経済安全保障担当委員が共同で主宰した。

台湾の経済日報によると、シェフチョビチ氏は10月8~9日に中国を訪問し、第2回会合に臨む予定だ。新たな貿易制限の構想が報じられる一方、双方の協議日程も維持されている。

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(2026年10月1日)

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