
アリババ、米政府提訴 「中国軍事企業」指定撤回求める
中国電子商取引大手のアリババグループは2026年6月24日、米カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁において、同社を「中国軍事企業」リストに掲載した米政府を相手取り、指定取り消しを求める訴訟を提起した。
訴状によると、アリババは独立した取締役会によって運営されており、軍事的背景を持つ取締役は存在しない。また、事業は電子商取引、物流、企業向け情報技術サービスが中心であり、兵器や国防、情報活動には関与していないとしている。
同社は訴状の中で、「認定には事実上も法的にも根拠がない」と主張した。
中国軍事企業リスト掲載を巡る訴訟
アリババは、米戦争省による中国軍事企業リストへの掲載について、「恣意的かつ専断的な判断」であり、企業として回復不能な損害を受けたと反論している。
訴状では、「多くの米国企業にとってアリババは中国市場への主要な入り口である」と指摘。そのうえで、中国軍の道具であり米国の国家安全保障上の脅威であるとの印象を与え、企業の評判と米国企業との協力関係に悪影響を及ぼしたと訴えた。
米政府側は、係争中案件であることを理由にコメントを控えている。
米戦争省は軍民融合との関係を指摘
米戦争省は、アリババが中国工業情報化部との関係を通じて中国の軍民融合戦略に関与しているほか、中国国有資産監督管理委員会(SASAC)との間接的な関係を有すると指摘している。
米国は2026年6月上旬、中国軍事企業リストを拡大し、アリババのほか、百度(Baidu)、比亜迪(BYD)、蔚来汽車(NIO)、薬明康徳など複数の中国企業を新たに追加した。
また、薬明康徳は2026年6月11日、同様の理由で米政府を提訴している。
2026年から契約制限、2027年から調達禁止へ
米国法に基づき、米戦争省は2026年から中国軍事企業リスト掲載企業との契約を制限する。
さらに2027年からは、第三者を通じた調達も禁止される予定である。ただし、中国軍事企業リストへの掲載自体は経済制裁を意味するものではない。
中国外交部の林剣報道官は、米国による措置について「国家安全保障概念の拡大解釈による中国企業への不当な圧力だ」と批判した。そのうえで、中国企業の合法的権益を守るため必要な措置を講じる方針を示している。
