北京の地下鉄で保安検査を強化 中国共産党の五中全会に伴い通勤に影響、待ち時間20~30分との訴え

中国北京市の地下鉄で10月20日から保安検査が強化され、通勤客の一部に長時間の待ち時間が生じている。中国共産党が26~29日に北京で開催する第20期中央委員会第5回全体会議(五中全会)に伴う警備措置で、駅では小型の手荷物もX線検査装置に通すなど、従来より厳格な検査が行われている。台湾の聯合報が26日、北京市内での現地取材を基に報じた。利用者からは検査待ちに20~30分かかり、出勤に遅れたとの訴えも出ている。

地下鉄駅で20日から検査を強化

 聯合報によると、北京市内の地下鉄駅では、10月20日から保安検査を強化するとの案内が放送されている。

 駅構内では、乗客に対し、すべての手荷物をX線検査装置に通し、身体検査にも協力するよう求めている。

 通常は小型のかばんについて、中を簡単に確認するだけで済む場合があったが、検査強化後は小型の手荷物もX線検査装置に通す運用となっている。

 また、係員が携帯型金属探知機を使用する検査にも時間がかかるようになった。飲料については、危険物の有無を確認するための液体検査装置に通すよう求めている。

 こうした検査の強化により、乗客1人当たりの検査時間が長くなり、特に通勤・通学客が集中する時間帯には行列ができている。

通勤客から苦情、駅によっては数十件

 聯合報の現地取材に応じた地下鉄のボランティア職員によると、検査強化後は朝夕の混雑時間帯に行列ができるようになり、乗客から苦情が寄せられている。

 この職員が勤務する駅では、25日に北京市の市民相談窓口「12345」に数十件の苦情が寄せられたという。

 利用者の中には、保安検査の列に並ぶだけで20~30分かかったと訴える人もいた。検査に時間がかかったため、職場への到着が遅れたとの声も出ている。

 ただし、20~30分という待ち時間は一部利用者の報告であり、北京市内の全地下鉄駅で同程度の待ち時間が発生していることを示すものではない。

 駅ごとの混雑状況や、検査に要する平均時間について、北京市の地下鉄運営会社による統一的な集計は今回確認できていない。

駅職員、検査強化は月末までと説明

 聯合報の記者が地下鉄職員に検査強化の期間を尋ねたところ、職員は月末まで続くとの見通しを示した。

 職員は、現在開催されている重要会議が理由だと説明したという。

 五中全会は26日に開幕し、29日まで開催される予定。地下鉄の検査強化は会議の開始に先立つ20日から実施されている。

 もっとも、検査を月末で終了するという説明は現場職員の回答であり、全駅について同一の日程が正式に決定されているかどうかは確認できない。

主要道路や歩道橋にも警備要員を配置

 警備強化は地下鉄駅に限らない。

 聯合報によると、北京市内では五中全会の開幕より数週間前から警備態勢が強化されていた。

 歩道橋や主要道路の交差点などでは、武装警察や民兵の配置が増えたという。

 五中全会は中国共産党中央委員会の重要会議で、中央委員と中央委員候補らが出席する。今回は党の規律強化や反腐敗活動、中央の政策を行政機関に徹底させる仕組みなどが主要議題となっている。

 会議は非公開で開催され、29日の閉会後に主要な決定内容が公表される見通しだ。

 北京市内では、こうした重要会議に合わせて公共交通機関や主要施設周辺の警備が強化されることがある。ただし、今回の措置について、警備当局が個別の脅威や具体的な事件の発生を理由として公表したことは確認できていない。

未確認の警備指示文書とは区別

 聯合報の記事では、インターネット上に五中全会に関する警備指示文書と称する情報が出回っていることにも触れている。

 その情報には、外国勢力による活動への警戒や、政治的な抗議行動を防止するための措置などが記されているとされる。

 しかし、聯合報は文書の真正性を独立して確認できていないと明記している。

 したがって、こうした未確認文書を北京市当局の正式な指示として扱うことはできない。

 今回、現地取材によって確認されたのは、地下鉄駅での手荷物・身体検査の強化、通勤時間帯の行列、利用者からの苦情、主要道路などでの警備要員の増加である。

 地下鉄の検査強化がいつまで続くか、今後さらに対象が拡大されるかについては、北京市当局の正式発表を確認する必要がある。

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(2026年10月27日)

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