ミャンマーの詐欺拠点、摘発後も再拡大 ミャワディ周辺で施設建設、SNSで人員募集

ミャンマー南東部カレン州のミャワディ(中国語名・妙瓦底)周辺で、2025年の大規模摘発後もオンライン詐欺拠点の再建や移転が進んでいる。台湾の中央社が9月29日、香港紙・星島日報が伝えた現地報道を紹介した。新たな施設の一部は完成し、運営する犯罪集団が交流サイト(SNS)で公然と人員を募集しているという。現地独立メディアの取材や欧米メディアによる衛星画像の分析も、摘発後の活動継続と拠点の拡大を伝えている。

 ミャワディはタイと川を隔てて向かい合う国境都市で、周辺にはオンライン詐欺や違法賭博の拠点が集積してきた。中央社によると、2026年初めから施設の再建が進み、市内の一部地区やシュエコッコ(中国語名・水溝谷)周辺にも新たな詐欺拠点が現れた。ただ、今回の報道では、新施設の総数や収容人数、運営組織の全容は明らかになっていない。

摘発後、小規模施設や借家に移転

 ミャンマーの独立メディア、イラワジは1月19日、カレン州の詐欺組織が募集を再開したと報じていた。住民によると、当初は運転手、警備員、清掃員、調理員などを募り、その後、コンピューターを使う業務にも募集を広げた。求人には通信アプリ「テレグラム」が使われていた。

 同報道では、2025年10~11月のKKパークやシュエコッコでの摘発後、犯罪集団がミャワディの小規模施設や借家に移り、活動を続けたという。一部施設の休止は短期間にとどまったとする住民の証言も紹介されている。

 さらにイラワジは9月8日、ミャワディ周辺の既存拠点から、同じカレン州のパインキョン地区へ犯罪集団が移転したと伝えた。新施設では8月下旬に募集が始まり、採用された人員はミャワディから移送されるという。現地関係者は、施設が山間部に分散していると説明した。

米誌、衛星画像で新拠点の増加を確認

 米誌WIREDは7月24日、人身売買対策団体「国際正義ミッション(IJM)」の衛星画像分析に基づき、年初ごろからミャワディ地域に少なくとも25カ所の詐欺拠点と疑われる施設が現れたと報じた。画像には森林の伐採や造成後、建物群が建設される様子が写っていた。ただし、これは詐欺関連施設とみられる地点の数であり、全施設の内部で犯罪行為を確認した数字ではない。

中国側はKKパークの撤去を発表

 中国公安省は2月9日、中国、ミャンマー、タイの共同摘発で拘束した容疑者1500人余りを中国へ移送したと発表した。同省の発表を掲載した新華網によると、KKパークの関連建物630棟余りは全て撤去された。3カ国は2025年初めに閣僚級の協力枠組みを設け、摘発と送還を進めてきた。

 この発表が対象としたのはKKパークであり、ミャワディ全域の詐欺拠点の消滅を示すものではない。その後の現地報道は、別の場所での建設や活動再開を伝えている。既存施設の撤去が進む一方、犯罪集団が移転先で募集と運営を続ける実態が浮かんでいる。

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(2026年9月30日)

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