中国軍・海警、スカボロー礁で同時演習 比との対立激化、臨検・強制曳航も訓練

中国人民解放軍南部戦区と中国海警局は9月27日、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺で、それぞれ海空合同演習と法執行訓練を実施した。中国軍は偵察・警戒や迅速な機動、合同捜索救難などを訓練。中国海警は複数の巡視船を投入し、船舶への臨検、進入阻止、強制曳航など、外国船を実力で排除することを想定した訓練を行った。

中国とフィリピンは南シナ海で対立を強めており、24日にはセカンド・トーマス礁(中国名・仁愛礁)に駐留するフィリピン軍への補給を巡り、中国海警・中国海軍とフィリピン側が対峙した。今回の演習はその3日後に行われた。

中国軍、新型無人機や艦艇を投入

中国国防省によると、南部戦区は27日、スカボロー礁周辺の海空域で偵察・警戒、迅速な機動、合同捜索救難などの訓練を実施した。中国側は、海空部隊の連携や迅速な支援能力を検証したとしている。

香港の無綫新聞によると、演習には早期警戒機や無人機、偵察機などが参加した。海上では中国海軍の「玉林」「天門」「青海湖」などで構成する艦艇部隊が演習海域に展開した。

南部戦区は今回の演習について、「一部の国が地域の平和と安定を破壊していることに対する必要な行動」と説明した。国名は発表で明示しなかったが、中国国防省は24日、フィリピンなどがスカボロー礁付近で実施した多国間海上訓練を批判していた。

フィリピンと日本が共同議長を務めるASEAN拡大国防相会議(ADMMプラス)の海洋安全保障専門家会合に伴う海上訓練には、フィリピン、日本、米国、オーストラリア、インド、ニュージーランド、シンガポール、ブルネイの8カ国から艦艇11隻が参加した。

中国海警は臨検、進入阻止、強制曳航を訓練

中国海警局も27日、スカボロー礁付近で複数の巡視船による「権益維持・法執行管理訓練」を実施した。

中国海警局の姜略報道官によると、訓練では船舶への臨検、進入を試みる船の阻止、強制曳航などを重点的に実施した。中国国営メディアによると、「万山」「川山」「四方」など複数の海警船が参加。外国船がスカボロー礁周辺に進入したとの想定で、対象船の識別、接近、排除などを訓練した。

姜氏は今後、同礁周辺で法執行と管理をさらに強化すると表明した。

3日前にはフィリピン補給船と対峙

今回の演習に先立つ24日には、フィリピンがセカンド・トーマス礁に座礁させて拠点としている軍艦「シエラ・マドレ」への補給任務を実施したが、中国海警と中国海軍がフィリピン船団に接近したため、任務が中断された。

フィリピン側は、中国船が危険な操船で衝突の危険を生じさせ、合法的な補給活動を妨害したと主張した。衝突や負傷者はなかった。一方、中国海警は、フィリピン側が中国の警告を無視して補給船を派遣したため、現場で監視や警告を行ったと説明している。

スカボロー礁を巡っては中国とフィリピンがともに領有権を主張している。2016年の南シナ海仲裁判断は同礁の領有権自体について判断しなかったが、同礁周辺がフィリピン、中国、台湾、ベトナムなどの漁民が利用してきた伝統的漁場だと認定し、中国がフィリピン漁民の伝統的漁業を妨げたと判断した。中国政府は仲裁判断を受け入れていない。

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(2026年9月28日)
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