中国製携帯式防空ミサイルのイラン供与報道、中国が全面否定
イランが数週間以内に中国製の肩撃ち式携帯防空ミサイル(MANPADS)の第1陣を受け取る見通しだと、一部メディが7月29日報じた。契約は300~400セットの携帯式防空ミサイルシステムを対象とし、契約額は6000万~7000万ドルに上るという。一方、中国外交部は「事実に反し、全く根拠がない」と全面的に否定した。トランプ米大統領も報道について言及し、「もし事実なら相当失望する」と述べた。(2026年7月31日)
契約は香港企業が仲介、パキスタン経由で輸送計画と報道
報道によると、契約には中国製の携帯式防空ミサイル「前衛12(QW-12)」と「飛弩16(FN-16)」が含まれる。いずれも赤外線誘導方式の肩撃ち式地対空ミサイルで、低空を飛行する航空機やヘリコプター、無人機(ドローン)の迎撃を目的とする。
契約は香港に本社を置く「中青宝上国際投資有限公司(Zhongqing Baoshang International Investment)」を通じて締結された。同社はイラン側と中国側サプライヤーの仲介役を務めたとされる。契約は締結済みと報じられているが、引き渡し時期や数量などの詳細は変更される可能性がある。
また、輸送は中国・ウルムチから航空機で搬出した後、パキスタンを経由してイランへ運ばれる計画とされた。ただ、パキスタン軍広報部門は「パキスタンが中国製防空兵器のイランへの輸送に関与しているとの憶測は完全な捏造であり、事実無根だ」として関与を否定した。
中国外交部「全く根拠がない」
中国外交部の毛寧報道官は7月30日の定例記者会見で、「関連する報道は事実に反し、全く根拠がない」と述べ、報道内容を全面的に否定した。
その上で、「中国は一貫して和平を促進し、戦争終結に向けた役割を果たしている」と説明し、中国は紛争当事者への武器供与ではなく、和平仲介の立場を維持していると強調した。
トランプ氏「習主席は武器供与しないと約束した」
トランプ大統領は7月29日、ホワイトハウスで報道について質問を受け、「驚くべき話だ。このようなことは起こり得るが、もし本当に起きているなら予想外だ」と述べた。
さらに、「習近平主席は非常に明確に、イランへの武器供与には関与しないと私に伝えた。もし中国がそのようなことをすれば、私は相当失望するだろう。彼もそれを理解している」と語った。
トランプ氏は今年4月、中国がイランへ軍事支援を行った場合、中国製品に50%の追加関税を課す可能性を示していた。また、自身のSNS「Truth Social」では、習近平国家主席とロシアのプーチン大統領の双方から、イランへ武器を供与しないとの約束を受けたと投稿している。
短距離防空能力強化につながる可能性
今回報じられたQW-12とFN-16はいずれも携帯式地対空ミサイルで、軍事施設やエネルギーインフラなど重要施設周辺への迅速な配備が可能とされる。
報道では、今回の調達は米国とイスラエルとの軍事衝突以降、イランが短距離防空能力を強化するために実施する最大規模の調達の一つと位置付けられている。一方、中国政府は報道内容を全面的に否定しており、双方の主張は食い違っている。
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