トランプ・習近平会談、台湾問題で緊張鮮明 経済協力とイラン問題では一致点も

Political cartoon: caricatured Trump and Kim Jong-un shaking hands with US, China, and North Korea flags in the background.

米中首脳、経済協力確認も台湾問題で温度差

トランプ米大統領は14日、中国・北京の人民大会堂で習近平中国国家主席と約2時間15分にわたり会談し、経済・貿易協力や中東情勢、エネルギー安全保障、人工知能(AI)分野などを協議した。会談後に公表された米中双方の要旨では、経済協力推進では一致点を打ち出した一方、台湾問題を巡る姿勢の違いが鮮明となった。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレ(DW)や台湾中央通信社などが伝えた。

ホワイトハウスによると、両首脳は米企業の中国市場参入拡大、中国による米産業向け投資拡大、フェンタニル前駆体の米国流入阻止、中国による米農産品購入拡大などを協議した。トランプ大統領は会談後、中国がボーイング製大型機200機を購入することで合意したと明らかにした。

中国側も経済協力拡大を強調した。中国国営新華社通信によると、習近平国家主席は「米中経済関係の本質は互恵・ウィンウィンだ」と述べ、「相違や摩擦に直面した際には対等な協議こそ唯一正しい選択だ」と強調した。また、両国の経済・貿易チームが前日に「全体として均衡が取れた前向きな成果」に達したと説明した。

今回の会談には米主要企業の経営者らも同行した。イーロン・マスク氏やジェンスン・ファン氏らが参加し、トランプ大統領は習近平国家主席に随行企業家を1人ずつ紹介したという。米国側は農業、航空、AI分野を中心に対中ビジネス拡大を狙っている。

一方、中国側にとって今回の会談で最重要議題だったのは台湾問題だった。新華社通信によると、習近平国家主席は「台湾問題は米中関係で最も重要な問題だ」と位置付け、「処理を誤れば衝突、さらには対立につながる」と警告した。また、「台湾独立と台湾海峡の平和は相容れない」と述べ、「台湾海峡の平和維持は米中双方の最大公約数だ」と主張した。

これに対し、ホワイトハウスの会談要旨では台湾問題への言及は一切なかった。米紙ワシントン・ポストによると、習近平国家主席が台湾問題に触れた際、トランプ大統領は直接応じず、次の議題に移ったという。

イラン・ホルムズ海峡問題でも協議 米中関係「新定位」提示

中東情勢も今回の会談の重要テーマとなった。ホワイトハウスによると、両首脳はホルムズ海峡について「エネルギー自由流通のため開放されるべきだ」との認識で一致した。さらに、習近平国家主席はホルムズ海峡の軍事化や通航料徴収に反対し、中国が将来的なホルムズ海峡依存を減らすため、米国産石油購入拡大に関心を示したという。

また、両国は「イランは決して核兵器を保有してはならない」との認識でも一致した。トランプ大統領はFOXニュースのインタビューで、習近平国家主席から「中国はテヘランに軍事支援を提供しない」と保証を受けたと明らかにした。

ただ、中国側発表ではホルムズ海峡やイラン核問題への具体的言及は避けられた。新華社通信は、中東情勢、ウクライナ危機、朝鮮半島問題について意見交換したと説明するにとどまった。米中双方の発表内容の違いは、両国が今回の首脳会談で重視する議題が異なっていたことを示している。

会談冒頭では、トランプ大統領が習近平国家主席に対し「あなたは偉大な指導者だ」と称賛し、「中国と米国の関係はこれまでになく良くなる」と強調した。これに対し習近平国家主席は、「米中は『トゥキディデスのわな』を乗り越え、大国関係の新たな枠組みを築けるか」と問い掛け、「パートナーであるべきで、対立相手であるべきではない」と訴えた。

さらに習近平国家主席は、両国関係を「建設的で戦略的に安定した関係」と新たに位置付け、「協力を主体とする積極的安定」「競争を制御した良性的安定」「相違を管理できる常態的安定」「平和を期待できる持続的安定」を目指す考えを示した。

専門家の間では、中国側が今回の会談を通じ、経済摩擦の激化を避けながらも、台湾問題では譲歩しない姿勢を改めて米国に示したとの見方が強い。特に、台湾問題を「米中関係で最も重要な問題」と位置付けた習近平国家主席の発言は、過去より踏み込んだ警告だと受け止められている。

一方、米国側は経済協力や中東情勢を優先し、台湾問題は公式要旨から外した。米国務長官マルコ・ルビオ氏はその後、「米国の対台政策に変化はない」と強調している。

トランプ政権復帰後、米中は再び関税・貿易戦争を激化させたが、ジュネーブ、ロンドン、マドリードなどで協議を重ね、昨年10月の釜山会談で「休戦」に至った。ただ、台湾の中華経済研究院は、米中対立は構造問題であり、今後もデカップリング(切り離し)が進む可能性が高いと分析している。

会談後、両首脳は北京の天壇を共に視察し、夜には国宴にも出席した。トランプ大統領は「極めて前向きで実りある対話だった」と述べ、習近平国家主席は「中華民族の偉大な復興と、米国を再び偉大にすることは両立できる」と語った。

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