中国海警局は10月21日、フィリピンが南シナ海の仁愛暗沙(セカンド・トーマス礁)に座礁させている旧軍艦に生活物資を運んだと発表した。中国海警局の姜略報道官は、補給が中国側の許可を得て行われたと主張し、中国海警がフィリピン船に対する確認と全行程の監視を実施したと説明した。ロイターと台湾の中央社が同日報じた。
旧軍艦の駐留部隊に生活物資を輸送
仁愛暗沙は、南シナ海の南沙諸島に位置する浅瀬で、中国とフィリピンが権利を主張している。
フィリピンは1999年、旧米海軍の揚陸艦「シエラマドレ」を意図的に座礁させ、兵士を駐留させている。現在も定期的に食料や飲料水などの生活物資を輸送している。
中国は旧軍艦の撤去を要求しており、周辺海域でフィリピン側の補給活動を監視している。
中国海警局の姜略報道官は21日、フィリピンが座礁船に生活物資を輸送したと説明。中国海警は補給船への問い合わせと確認を行い、全行程を監視したとした。
さらに、今後も仁愛暗沙を含む南沙諸島周辺海域で法執行活動を継続すると表明した。
9月には補給活動を巡り対立
仁愛暗沙では9月24日にも、フィリピン軍の補給活動を巡って両国が対立した。
中央社によると、フィリピン海岸警備隊は、中国海警船と中国海軍艦艇が補給船の進路を妨害し、任務を完了できなかったと主張した。
フィリピン側は、中国船の危険な操船によって衝突の危険が生じたと非難した。一方、中国側は、フィリピン船に対して追跡・監視や無線による警告を実施したと説明していた。
フィリピン軍は9月末、中国側による補給活動への干渉が続いていると訴えた。
補給活動の法的位置付けで対立
中国とフィリピンは2024年7月、仁愛暗沙の旧軍艦への補給を巡って暫定的な取り決めに合意したと発表している。
ただし、両国の間では補給活動に対する中国側の関与や、海域の管轄権を巡って立場が異なる。
今回、中国海警局は補給が中国側の許可を得て実施されたと説明したが、確認した報道では、フィリピン政府がこの説明を認めたことは確認できていない。
また、今回の補給活動で船舶の衝突や負傷者が発生したとの情報は確認されていない。
出典
- China’s coast guard monitors the Philippines resupplying vessel at disputed shoal(Reuters)
- 中國海警局宣稱 允許菲律賓運送物資至仁愛暗沙船隻(中央社、2026年10月21日)
- 菲律賓仁愛暗沙補給受阻 再控中國海警危險操船(中央社)
