中国代表団が択捉島を訪問 ロシア、観光・水産投資を誘致

ロシア極東のサハリン州政府は10月13日、中国黒竜江省の行政関係者と企業家からなる代表団が、ロシアが支配する北方領土の択捉島を訪問し、観光施設の建設や水産養殖・加工分野で共同事業の可能性を調査したと発表した。中国側はホテル開発やウニ、ナマコの養殖に関心を示し、参加企業からは地元企業と水産加工場を建設したいとの意向が出た。

訪問は、サハリン州が進める国際協力と投資誘致の一環だ。州政府は、観光客向けの宿泊施設がなお不足しているとして、中国企業の参入を促している。確認した発表や報道では、投資契約の締結や具体的な投資額、建設開始時期は示されていない。

ホテル用地や養魚施設を視察

地元紙「クラスヌイ・マヤーク」によると、代表団は3日間の日程で訪問し、島内の養魚施設や観光施設向けの投資候補地を視察した。候補地はロシア側の地名でクリリスク、キトボエ、レイドボにあり、温泉施設や火山周辺などの観光地も訪れた。

インタファクス通信によると、参加した中国企業はすでにロシア極東からナマコ、ウニ、魚などを輸入している。同社の代表者は、島内で協力相手を探し、将来は現地企業と共同で水産加工場を建設したいと説明した。今回の視察では、既存の水産物取引に加え、現地での養殖・加工事業の可能性を探った。

最長20年の税優遇を提示

サハリン州は、クリール諸島で一部の税を最長20年間免除する特別優遇制度を投資誘致の手段としている。リマレンコ知事は、新たな企業や雇用、インフラを生み出すため、投資家が事業を進めやすい環境を整える方針を示した。

択捉島は日本が返還を求める北方領土の1つで、ロシア側は南クリール諸島の一部と位置付ける。日本は第三国による北方領土への投資や、ロシアの手続きに従った入域を認めない立場だ。

今年8月13日にはプーチン大統領も択捉島を訪問し、水産加工施設を視察した。ロイター報道を掲載した台湾の民視によると、北方領土を巡る主権問題は、日ロ両国が第2次世界大戦後の平和条約を締結できない主要な障害となっている。

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