中国、フィリピンの南沙諸島新海図に反対 「違法、無効」と主張

中国外務省の郭嘉昆報道官は9月29日、北京での定例記者会見で、フィリピンが南シナ海の南沙諸島にある島や岩礁を含む新版海図を公表したことに反対した。中業島、馬歓島などは中国領だと主張し、海図の公表は中国の領土主権を侵害する「違法、無効」な行為だと批判した。フィリピン側は海図を更新する自国の権限を強調し、国連への提出を予定している。

フィリピン国家海事評議会は9月25日、新版海図を公表した。対象には、フィリピンがパグアサ島と呼ぶ中業島、ラワク島と呼ぶ馬歓島や、同国が「カラヤン諸島」としている南沙諸島の島や岩礁が含まれる。満潮時と干潮時の地形、水深、島の輪郭などを示し、フィリピンが「西フィリピン海」と呼ぶ海域の公式な海洋情報を更新するものとしている。

中国側、カラヤン諸島の設定にも反発

郭氏は、中業島と馬歓島は南沙諸島の一部で、中国は同諸島と周辺海域に「争う余地のない主権」を持つと述べた。フィリピンの領土範囲は一連の国際条約で定められており、南沙諸島を含む南シナ海の島々はその範囲外だとの立場を示した。

さらに、フィリピンが南沙諸島の一部を「不法占拠」し、自国の領土範囲を超えてカラヤン諸島を設定したと非難。今回の海図も国連憲章や関連する国際法に違反すると主張した。中国は南シナ海の領土主権と海洋権益を守るため、引き続き「必要な措置」を取るとしたが、具体的な措置や実施時期は明らかにしなかった。

カラヤン諸島はフィリピンが南沙諸島で主張する島々の呼称で、同国は1978年に地方行政区として設定した。中央社によると、9つの海上地形で構成され、中業島が最大となる。中国は、この行政区の設定自体を認めていない。

フィリピン側は測量業務の一環と説明

フィリピン紙レマテによると、海洋問題担当大統領補佐官のアンドレス・センティノ氏は、海図の作成は国家地図資源情報庁(NAMRIA)と海軍に割り当てられた業務の一環だと説明した。気象や海水の影響で島の輪郭が変化する可能性があるため、更新が必要だと述べた。

センティノ氏は、対象海域の海図作成をフィリピンの主権に基づく業務と位置付けた。新版海図は国連に提出する予定で、7月29日に提出したスカボロー礁と周辺海域の公式海図と同様の手続きを取るとしている。今回確認した報道では、新版海図の提出完了は明らかになっていない。

フィリピンは以前から、公式地図や海図を海洋権益の主張を支える資料として整備している。NAMRIAは2月にも、同国の海図は国際的な測量基準に従い、外国船にも利用されていると説明した。今回、中国側が公表を主権侵害と批判した一方、フィリピン側は自国の権限に基づく情報更新としており、双方の立場は対立している。

海図を巡る応酬と並行し、現場でも摩擦が続く。ロイターによると、フィリピン沿岸警備隊は9月25日、前日のセカンド・トーマス礁への補給活動が中国海警と海軍に妨害され、完了できなかったと発表した。衝突や負傷者はなかったという。一方、中国海警は、フィリピンの補給船に監視や警告を行ったと説明し、フィリピン側の行動を「挑発」と批判した。

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(2026年9月30日)

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