中国の抗議活動948件、前期比12%増 賃金未払い巡る労働者の抗議が最多

米国の非政府組織(NGO)フリーダムハウスが11月2日に公表した調査によると、中国本土で2026年7~9月に記録された抗議活動は948件となり、前四半期の846件から102件、12.1%増加した。労働者が主導した抗議が全体の44%を占め、住宅所有者による抗議を上回って最多となった。

フリーダムハウスが運営する中国の抗議活動監視プロジェクト「China Dissent Monitor(CDM)」の第13期報告書で明らかになった。

抗議の主体別では、労働者が44%、住宅所有者が27%、農村住民が9%だった。このほか、小規模事業者、消費者、保護者、学生、投資家、陳情者、人権活動家などが抗議活動を行った。

前四半期は住宅所有者が36%で最多となり、労働者は24%、農村住民は18%だった。第3四半期は労働者の割合が20ポイント上昇した一方、住宅所有者と農村住民の割合は低下した。

建設現場などで賃金未払いへの抗議

同報告書は、不動産市場の低迷や新型コロナウイルス禍後の不均衡な景気回復が、不動産開発会社や建設を請け負う業者の資金繰りを圧迫し、労働者への賃金未払いにつながっていると分析した。

賃金の支払いを求める抗議は建設現場や沿海部の工場などで発生している。報告書によると、2026年はこうした抗議が例年より早い時期から増え始め、より強い訴え方をする傾向もみられた。

地域別では広東省が全体の13%を占めて最多となり、河南省、陝西省、河北省、山東省が続いた。同プロジェクトが2022年6月に記録を開始して以降、抗議活動の累計は1万6845件に達した。また、土地収用や強制移転に関係する抗議活動が累計1100件以上記録されている。

ネット検閲強化で実態把握が困難に

第3四半期の抗議件数は前年同期比では33%減少した。ただ、フリーダムハウスは、中国当局によるインターネット上の情報統制が強化され、抗議活動に関する情報を収集しにくくなっていると指摘した。

中国のインターネット規制当局は2026年2月、否定的な感情をあおる投稿などの削除や表示制限を求める取り締まりを実施した。同プロジェクトの分析では、3~6月に短編動画アプリ「抖音(ドウイン)」で確認された抗議関連投稿は、取り締まり開始前の前年同期と比べ約50%減少した。

フリーダムハウスは、抗議活動の記録件数の減少が、実際の発生件数の減少を示しているとは限らないとしている。

出典

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(2026年11月5日)

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