中国各地で巨額の資金を投じて建設された人工的な古い街並みを再現した観光施設「人工古鎮」が、観光客不足や店舗の閉鎖によって経営難に陥っている。台湾の中央社が10月27日に報じた。過去8年間の投資額は全国で500億元を超えるとの推計が紹介されているが、集計方法は明らかになっていない。一方、湖南省張家界市の大型観光施設「大庸古城」では巨額の赤字が発生し、運営会社の経営再建問題に発展している。
中央社によると、中国のSNSでは最近、人工古鎮の商店が閉鎖され、観光客がほとんど見られない様子を撮影した映像が広まっている。
中国各地で開発済み、または開発中の古城・古鎮や歴史的な街並みを再現した観光施設は2800カ所を超え、そのうち事業として存続している施設は300カ所未満との推計もある。ただし、これらの数値は公的統計として確認できていない。
張家界の大庸古城、累積赤字が拡大
湖南省張家界市の大庸古城は、人工古鎮の経営難を象徴する事例となっている。
施設は約24億元を投じて整備され、明・清時代の建築様式や少数民族トゥチャ族の文化を取り入れた観光拠点として2021年6月に試験営業を開始した。
しかし、開業後も赤字が続いた。新華社系の経済参考報によると、運営会社の大庸古城公司は2021年に8400万元、2022年に1億5100万元、2023年に2億4900万元、2024年に5億9600万元の損失を計上した。
2025年上半期も3200万元の赤字となり、2021年からの累積損失は約11億1200万元に達した。
大庸古城を開発した上場企業の張家界旅游集団は、同事業の経営不振と資産価値の減少によって業績が悪化。2025年11月には裁判所が同社の再建申請を受理した。
不動産開発との一体化が経営リスクに
河南省の大象新聞が取材した業界関係者によると、一部の人工古鎮は観光事業自体の収益ではなく、周辺の住宅や商業施設の開発によって投資資金を回収する仕組みで建設されていた。
観光施設を整備することで土地の価値を高め、地方政府から土地利用などの優遇措置を受ける事業モデルだ。
しかし、観光客を十分に集められなければ、施設内の商店の経営が難しくなり、維持管理費や減価償却費が負担となる。
中国旅游研究院の2024年の調査では、古鎮を訪れた経験のある回答者の51.3%が施設間に類似点があると感じ、38.5%は特色に乏しいと回答した。
人工古鎮の開発では、巨額の建設費に加え、地域独自の魅力を確保し、継続的に観光客を集めることが課題となっている。
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