深圳市、APEC開催に向け全市で夜間消防検査 10月25日~11月20日、ホテル・工場・高層建築など対象

中国広東省深圳市の消防当局は10月25日、11月に同市で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向け、市内全域で夜間の消防安全検査を開始した。検査は11月20日まで毎晩実施する。対象はホテル、飲食店、商業施設、娯楽施設、工場、倉庫、高層建築、住宅密集地区など広範囲に及ぶ。夜間の火災発生を防ぎ、重要会議の開催期間中の消防安全を確保することが目的。市内の事業者や施設管理者には、避難経路の確保や消防設備の点検などを求めている。香港の星島頭條が25日、深圳市消防当局の通告を基に報じた。

11月20日まで毎晩実施

 深圳市消防当局の通告によると、今回の夜間消防安全検査は10月25日から11月20日まで毎晩実施する。

 APECの会議は11月18~19日に深圳市で開催される予定で、検査期間は会議の開催前から終了後までを含む。

 消防当局は、重要会議の開催期間中に火災を防止し、市内の消防安全を維持するため、夜間の重点検査を実施すると説明した。

 今回の検査は特定の施設や地域に限定されず、市内全域を対象としている。

 夜間に営業する施設だけでなく、住民が生活する住宅地区や、夜間も稼働する工場なども対象に含まれる。

住宅密集地区や老朽住宅を重点検査

 消防当局が重点区域として挙げたのは、まず城中村と呼ばれる住宅密集地区や、事業用に建設された自家建築物、道路沿いの店舗、老朽化した住宅地区などである。

 城中村は、都市化の過程で農村集落が市街地に取り込まれた地域を指す。住宅や小規模な店舗、作業場などが密集している場所もある。

 消防当局は、こうした地域の中でも消防設備が十分に整っていない施設を重点的に調べる。

 また、居住、製造、倉庫など複数の用途が同じ建物に混在する、いわゆる「三合一」の施設も検査対象となる。

 こうした建物では、火災が発生した場合に居住者の避難が難しくなるおそれがあるため、消防当局は違法な居住利用の有無を確認する。

ホテル・商業施設・娯楽施設も対象

 夜間に利用者が集まるホテルや飲食店、商業施設、娯楽施設なども重点検査の対象となる。

 通告では、宿泊施設、飲食店、商店、市場、歌舞娯楽施設、映画館などの上映施設、遊技施設、スポーツジムなどを列挙している。

 これらの施設では、営業時間中に多数の利用者が集まるため、火災が発生した場合の避難誘導が課題となる。

 消防当局は、避難通路や非常口が塞がれていないか、消防設備が正常に作動するか、夜間の安全管理制度が適切に運用されているかなどを確認する。

 事業者には、自ら施設の危険箇所を点検し、問題を発見した場合は速やかに改善するよう求めている。

工場・倉庫・高層建築も検査

 夜間に操業する工場や企業、倉庫も今回の検査対象に含まれる。

 消防当局は、工場内の火気や電気設備の使用状況、可燃物の管理、消防設備の維持管理などを調べる。

 また、高層建築や労働集約型企業、複数の業種が同じ建物内で営業する施設も重点検査の対象となる。

 高層建築については、消防車の進入経路や高所での消火・救助活動に必要な作業空間が確保されているかを確認する。

 消防車の通行を妨げる駐車や、避難経路を塞ぐ荷物の放置なども検査対象となる。

病院・高齢者施設・寄宿制学校を重点対象に

 深圳市消防当局は、病院、高齢者施設、寄宿制学校なども重点検査の対象に挙げている。

 これらの施設には、自力で避難することが難しい人や、夜間に施設内で就寝する人がいるため、火災発生時の避難支援体制が必要となる。

 検査では、避難通路や非常口の確保に加え、消防設備の管理、夜間の職員配置、緊急時の対応能力などを確認する。

 ただし、今回の通告は検査の実施を知らせるものであり、対象施設で火災や重大な違反が発生したと発表したものではない。

電動自転車の充電や消防設備を点検

 消防当局は、今回の夜間検査で重点的に確認する事項を10項目に整理した。

 主な内容は、避難通路と非常口の確保、消防車の通行経路の確保、違法な居住利用の有無、電動自転車の駐車・充電状況、消防設備の作動状況などである。

 さらに、火気、電気、ガスの使用状況、夜間営業施設の安全管理制度、消防監視室の当直体制、小規模消防拠点の緊急対応能力、工場や倉庫の消防安全管理状況も確認する。

 中国の都市部では電動自転車が広く利用されており、住宅や商業施設などでの駐車・充電方法が消防安全上の課題となっている。

 今回の通告では、電動自転車の駐車や充電の状況を独立した検査項目として挙げている。

APEC開催に向け市内の安全管理を強化

 深圳市では11月18~19日にAPEC関連会議が開催される予定で、国内外から関係者が集まる。

 今回の夜間消防検査は、会議の開催に伴う安全対策の一環として実施される。

 消防当局は、市内の事業者や施設管理者に対し、消防安全上の責任を徹底し、自主点検と問題箇所の改善を進めるよう求めている。

 ただし、通告では検査対象施設の総数や、検査に動員する消防職員の人数は明らかにしていない。

 また、検査開始後に発見された違反件数や行政処分の状況についても、今回確認した資料では公表されていない。

 深圳市の夜間消防安全検査は11月20日まで継続する予定となっている。

出典

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(2026年10月27日)

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