欧州連合(EU)が、中国から輸入する化学品、家具、機械などについて、輸入数量の上限設定や関税による制限を検討していることが分かった。ブルームバーグが10月26日、事情に詳しい関係者の話として報じた。EUの欧州委員会は、中国製品の流入が域内産業に与える影響を抑えるため、緊急輸入制限措置(セーフガード)の活用を検討しており、早ければ2027年第1四半期に新たな措置を提案する可能性がある。ただし、現時点では正式な政策決定ではなく、対象品目や制限内容は確定していない。
化学品・家具・機械を対象に検討
ブルームバーグによると、欧州委員会は中国からの輸入が増加している産業分野について、追加の制限措置を検討している。
対象として挙がっているのは、化学品、家具、機械などの製品である。
これらはEU域内にも生産企業が存在する分野で、中国製品との価格競争が域内メーカーの経営に影響する可能性がある。
EU側が検討している措置は、輸入数量に上限を設ける方法や、関税を課す方法などとされる。
ただし、具体的にどの化学品や家具、機械が対象となるのかは、今回の報道では明らかになっていない。
また、輸入数量の上限や関税率などの数値も公表されていない。
セーフガード措置の活用を検討
今回報じられた規制案は、セーフガードと呼ばれる緊急輸入制限措置を活用する方向とされる。
セーフガードは、特定の製品の輸入が急増し、国内産業に重大な損害を与えている場合などに、一定の条件の下で輸入を一時的に制限する制度である。
不当廉売(ダンピング)を理由に特定企業や国の製品に追加関税を課す反ダンピング措置とは、法的な仕組みが異なる。
今回の報道では、EUがどのような法的根拠や調査手続きによって制限を導入するかについて、最終的な方針は明らかになっていない。
したがって、現時点でEUが中国製品への新たな関税を決定したと表現することはできない。
2027年第1四半期にも提案か
ブルームバーグが取材した関係者によると、欧州委員会は早ければ2027年第1四半期に新たな措置を提示する可能性がある。
ただし、これは関係者が示した検討段階の日程であり、正式な提案日や施行日ではない。
EUでは通商政策の内容によって、欧州委員会による調査や提案、加盟国との協議などが必要になる。
今回の措置について、各加盟国の賛否や、具体的な法的手続きの進行状況は明らかになっていない。
また、中国側が今回の報道を受けて正式な対抗措置を発表したことも確認できていない。
中国製ハイブリッド車の輸入制限を参考に
ブルームバーグは、欧州委員会が中国製ハイブリッド車に対する輸入制限の取り組みを参考にしていると報じた。
報道によると、EUは中国側との協議を通じて、ハイブリッド車の年間輸入台数を35万台に制限する取り決めを進めてきたという。
今回の化学品や家具、機械に関する措置は、こうした自動車分野での対応を他の産業にも広げる構想とされる。
ただし、ハイブリッド車の取り決めと、新たに検討されている化学品などの輸入制限は別個の案件である。
自動車分野での制限内容が、そのまま化学品や家具、機械に適用されるわけではない。
中国製品の流入と欧州産業の競争
EUと中国の貿易関係では、中国からの工業製品の輸入が欧州企業の競争環境に与える影響が、近年の通商政策上の課題となっている。
中国企業は化学品、機械、電気製品、自動車など幅広い製造業分野で生産能力を拡大してきた。
一方、欧州の製造業では、エネルギー価格や人件費などの生産コストが企業の競争力に影響している。
EUが輸入制限を検討する背景には、域内産業の生産活動や雇用を保護する狙いがあるとみられる。
ただし、今回の報道だけでは、個別の産業で中国製品の輸入がどの程度増加し、欧州企業にどの程度の損害が生じたのかを示す統計は確認できない。
輸入制限を実施する場合、こうした影響をどのような調査や証拠に基づいて判断するかが問題となる。
中国との貿易摩擦が拡大する可能性
EUが化学品、家具、機械などに輸入制限を拡大した場合、中国の輸出企業だけでなく、中国から部品や製品を調達する欧州企業にも影響が及ぶ可能性がある。
中国製品を原材料や部品として使用する企業にとっては、調達価格や供給量の変化につながる場合がある。
また、中国側が制限措置を不当と判断すれば、通商協議や対抗措置を巡る対立が生じる可能性もある。
ただし、こうした影響は制度の内容が確定した後に判断すべきものであり、現時点で特定の企業への影響や中国政府による対抗措置が決まったわけではない。
今回の報道は、EUが中国製品に対する追加的な輸入制限を検討していることを示したものである。対象品目、制限方法、提案時期、実施の可否はいずれも未確定となっている。
出典
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(2026年10月27日)
