米、元グーグル技術者関連の中国5団体に制裁

米国務省は10月19日、米グーグルの営業秘密窃取に関係したとして、同社の元技術者で中国籍の丁林葳氏が設立した上海至算科技と、中国の起業支援・投資会社「奇績創壇(MiraclePlus)」に関係する計5団体に制裁を科した。米国の知的財産保護法(PAIPA)に基づく措置で、資産凍結や金融取引、投資の制限を適用する。

対象は上海至算科技のほか、奇績創壇の投資運営会社、同社が運営する第1期・第2期のベンチャー投資ファンド、第1期ファンドが全額出資する北京奇績創壇致遠企業管理中心。米財務省外国資産管理局(OFAC)は同日、5団体を制裁対象リストに追加した。

国務省によると、丁氏は2023年に上海至算科技を設立。機械学習や大規模な人工知能(AI)モデルの訓練を高速化するソフトウエアの開発能力をうたっていた。奇績創壇の起業支援プログラムに応募した際には、グーグルの技術や内部システムに詳しいと強調し、同社のAI計算基盤技術を再現できると主張したという。

奇績創壇は上海至算科技の持ち分を取得する見返りに創業資金を提供した。国務省は、上海至算科技が重大な営業秘密窃取に関与、または利益を得たと認定。奇績創壇については、窃取行為への資金などの支援を理由に指定し、残る3団体は同社との所有・支配関係などを根拠に対象とした。

制裁には、米国の管轄下にある資産の凍結、外国為替・銀行取引の禁止、米国人などによる対象団体への一定の投資の禁止などが含まれる。一方、OFACは奇績創壇関連4団体と、それらが合計50%以上を保有する企業との取引を終了するための一般許可を発行した。期限は2027年1月19日午前0時1分(米東部標準時)で、上海至算科技はこの許可の対象に含まれない。

丁氏は2026年1月29日、グーグルの機密資料を盗んだとして、米連邦陪審に営業秘密窃取の7件で有罪と認定された。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、別の経済スパイ罪7件の有罪認定は、中国政府に利益を与える意図などの証拠が不十分として、その後、連邦判事が取り消した。営業秘密窃取の有罪認定は維持されている。

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