ドイツ5省が反対 中国遠洋海運による老舗物流会社買収は頓挫か

ドイツ紙ハンデルスブラットは29日、ドイツ政府が安全保障上のリスクを理由に、ドイツの物流会社コンラート・ツィッペル・シュペディトールを中国国有企業の中国遠洋海運集団(COSCO)に売却する計画を阻止する方針だと報じた。最終決定はまだ下されていない。

買収では、COSCOのオランダ法人がツィッペルの株式80%を取得する予定。同社は1876年創業で、ドイツ北部ハンブルクに本社を置く。約200人の従業員と約200台のコンテナ車を擁し、ハンブルク港やブレーマーハーフェン港と、ベルリン、ハレ・ライプチヒ地域のシュコパウ化学工業地帯との間でコンテナ輸送を手がけている。

報道が引用した「公務利用限定」の政府機密メモは、買収が中国によるドイツと欧州の交通インフラへの戦略的影響力を強めると指摘。市場占有率は大きくないものの、老舗企業として蓄積した数十年の市場情報がCOSCOや中国にとって大きな価値を持つとしている。

買収阻止を主張しているのは、経済・エネルギー省、財務省、内務省、外務省、国防省の5省。ドイツ国防省は、同社がドイツ連邦軍の兵站支援に重要であり、有事にはドイツ東部国境へ通じる補給線が北大西洋条約機構(NATO)にとって重要になるとみている。国内情報機関と欧州委員会もこれまでに取引への警告を発していた。

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