台湾の林佳龍外相は2026年9月15日、フィリピン中部のセブに代表事務所を新設する準備を進めていると明らかにした。実現すれば、フィリピンでは首都圏マニラに続く台湾の2カ所目の代表機関となる。中国外務省は翌16日、フィリピンに「一つの中国」原則を順守するよう要求し、計画に反発した。
台湾とフィリピンには正式な外交関係がない。台湾は現在、マニラ首都圏マカティ市に台北経済文化事務所を置き、査証や在留者支援、経済・文化交流など、実質的な大使館に相当する業務を担わせている。
林外相はラジオ番組のインタビューで、セブの事務所は、中部・南部フィリピンを訪れる台湾人旅行者や現地で活動する台湾企業、在留台湾人への支援を担うと説明した。セブは台湾人の主要な旅行先の一つで、マニラ以外にも領事サービスへの需要があるとしている。
ただし林氏は、事務所の正式名称、所在地、職員数、開設時期について明らかにしなかった。台湾の中央通信社とフィリピンの地方紙サンスターは、開設時期は示されなかったと報じた。一方、台湾ニュースは、台湾側が2026年末までの開設を目指していると伝えており、時期について報道に違いがある。
台湾・フィリピン経済回廊構想とも連動
林氏は事務所新設について、台湾が提案する「台湾・フィリピン経済回廊」の整備にも役立つとの認識を示した。同構想は、人や物資、資本の移動を促し、供給網の強化につなげることを目的とする。
台湾側は、この経済回廊を、米国、フィリピン、日本が推進する「ルソン経済回廊」と接続させたい考えだ。林氏は、台湾とフィリピンが相互に査証免除措置を導入していることや、二重課税を回避する協定を結んだことにも言及した。台湾では現在、20万人を超えるフィリピン人が働いているという。
中国、フィリピンに計画阻止を要求
中国外務省の郭嘉昆報道官は9月16日の定例記者会見で、台湾当局がセブ州で事務所の設置を計画し、台湾・フィリピン経済回廊の構築を目指しているとの質問に回答した。
郭氏は、台湾の民進党政権が外部勢力と連携し、いかなる形で「外交上の突破」を図っても失敗すると主張した。その上で、フィリピン側に対し、実際の行動によって「一つの中国」原則を守り、中国とフィリピンの関係を損なう行為をしないよう求めた。
中国側は、事務所の設置によって生じる具体的な影響や、フィリピン政府にどのような対応を求めたかについては説明していない。フィリピン政府による正式な承認内容や事務所の法的地位も、確認できた発表や報道では明らかになっていない。
欧米の主要報道機関による独自報道は確認できず、今回の計画を最初に伝えたとされる日経アジアは、日本メディアを使用しないとの条件に基づき、記事の出典には含めていない。
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出典
- Taiwan to open representative’s office in Cebu, the Philippines
- Taiwan plans second Philippine office in Cebu
- Lin Chia-lung confirms plans for Cebu office
- 台灣擬在菲律賓宿霧設新辦事處 北京:枉費心機注定失敗
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(2026年9月17日)
