中国の習近平国家主席は9月2日午前、エジプトの首都カイロの大統領宮殿でシシ大統領と会談し、中東の安全保障を巡る4項目の提案を示した。地域諸国による対話、パレスチナ問題の解決、国際航路の安全確保と経済協力、国連憲章と国際法に基づく国際協調を通じ、中東の新たな安全保障の枠組みをつくる考えを表明した。
中国側の発表によると、シシ氏は政治的な手段で対立や紛争を解決し、地域の緊張を緩和する方針を説明。中国との調整を続け、中東の安定に向けて協力する意向を示した。両首脳は会談後、広域経済圏構想「一帯一路」や人工知能(AI)、貿易・経済、産業・供給網に関する協力文書の署名に立ち会った。
地域の対話とパレスチナ問題を重視
習氏が示した第1の提案は、中東の人々が自ら地域の将来を決めることを重視し、域外勢力の干渉に反対するもの。地域諸国が平和と安全に関する対話を強め、安全保障の枠組みをどう再構築するか話し合うよう求めた。
第2は、相互に結び付いた中東の諸問題について、包括的な解決策を探ることだ。習氏はパレスチナ問題が引き続き中東問題の核心にあるとし、ほかの紛争や課題への対応が進む中でも、その解決を後回しにすべきではないとの立場を示した。
第3は、経済発展を通じて地域の長期的な安定を支えることだ。中国が地域諸国と国際航路の安全を守り、開発協力を進める意向を表明。経済面で共通の利益を増やすことによって相互信頼を高め、紛争が生まれる要因を減らす考えを示した。
第4は、国際社会の協調を強めることだ。国連憲章と国際法に基づいて中東問題に対応し、とりわけ域外の大国に対して、二重基準を排し、地域諸国の主権と領土の一体性を尊重するよう求めた。国連が地域問題で役割を果たせるよう支援することも提唱した。
建交70年、EVやデジタル分野でも協力
今回の訪問は、中国とエジプトの国交樹立70周年に合わせたもの。エジプトは1956年、アラブ諸国とアフリカ諸国の中で最初に中華人民共和国と国交を結んだ。習氏のエジプト国賓訪問は10年ぶりとなる。
両国関係について習氏は、インフラ、電力、農業、通信技術など従来の協力を深めるとともに、環境に配慮したエネルギー、電気自動車(EV)、航空宇宙、デジタル経済、現代農業技術などで協力を広げる考えを示した。越境犯罪への対処やテロ対策など、安全保障面での連携強化も呼び掛けた。
両国は包括的戦略パートナーシップをさらに深める共同声明を発表。訪問期間中には、デジタル経済、科学技術、教育、交通などの分野でも20件余りの協力文書に署名した。
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