チベット土石流、被災地への救援道路が開通 中国側21人死亡、541人安否不明

中国・ネパール国境付近で発生した土石流災害で、中国チベット自治区シガツェ市吉隆県の国境検問所に通じる国道216号の応急復旧が進み、9月2日午前10時、被害が集中する地区まで救援車両が通行できるようになった。救援隊や物資に加え、大型重機の搬入が可能となり、堆積した土砂の奥深くまで捜索する作業が始まった。人民日報

 自治区政府が2日夜に開いた記者会見によると、中国側の人的被害は同日正午時点で死者21人、安否不明者541人となった。現場では遺留品847点も見つかった。救援隊は地区を分けて捜索し、駐車場や出入国検査などを行う庁舎、宿舎を重点的に調べている。新華社

損壊した約3キロを復旧、大型重機を搬入

 香港紙・文匯報によると、国道216号は被害が集中する地区に通じる唯一の陸上ルートで、約3キロが損壊した。復旧前は救援隊が10時間以上かけて徒歩で山を越えたり、ヘリコプターを使ったりして現場に入っていた。大量の泥や岩が捜索を妨げ、土砂の表面付近を調べる作業が中心となっていた。

 復旧工事では、狭い峡谷で重機を動かす空間が限られたほか、急流が道路の土台を削り、補修した部分が再び流されるなどの困難があった。特に最後の約1キロは難航し、土台が失われた場所に大きな岩を積んで外側を固め、内側に石などを詰めて道路を再建した。

 道路の開通で、重機による土砂や岩の除去と、救援隊による捜索を組み合わせられるようになった。現地の堆積物は平均4メートル、最も厚い場所で16メートルに達するという。文匯報

土砂の深い部分や建物を重点捜索

 新華社によると、道路の開通後、10台余りの重機が被害の集中地区に入った。救援当局は、これまでの浅い部分の捜索に加え、専門機器を使って深い部分を調べ、安否不明者の発見につなげる方針だ。

 当局は土砂崩れや土石流の再発にも警戒している。川がせき止められてできた湖については、8月30日に自然に排水され、決壊の危険は解消したと説明。一方、降雨や気温上昇に伴う新たな崩落などを監視し、下流で活動する救援隊の安全を確保するとしている。被災者や死者・安否不明者の家族には、専門チームによる心理的支援も行う。新華社

 災害は8月26日に発生し、ネパールとチベットの国境地域が被災した。吉隆では9月1日、犠牲者の追悼行事が行われ、救援現場や道路の復旧現場でも救援隊員らが黙とうした。(2026年9月3日)

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