米国籍でミャンマー政治を研究する学者の敏辛(ミン・ジン、Min Zin)が、中国雲南省で中国当局に拘束されていることをめぐり、米国政府が「不当な拘留」と認定し、中国側に釈放を求めている。中国政府は敏辛が国家安全を害する活動に関与した疑いがあるとして米側の主張を否定しており、外国人研究者の中国渡航や学術交流をめぐるリスクが改めて浮き彫りになった。
中国政府の招待で雲南省へ、空港で拘束
敏辛はミャンマー出身の米国籍研究者で、ミャンマーの政治や民主化、軍政などを研究している。ミャンマー問題を扱うシンクタンク「ミャンマー戦略・政策研究所(ISP-Myanmar)」の共同創設者で、執行責任者を務める。
米国務省などによると、敏辛は中国政府の招待を受けて学術会議に参加するため、有効な中国ビザで中国を訪問。6月3日に雲南省に到着した直後、空港内で中国当局に拘束された。
中国外務省は6月、敏辛の拘束を確認。米国の在広州総領事館に通知したと説明した。
米国務省が「不当拘留」と認定
米国務省は8月、敏辛の拘束をめぐる状況を検討した結果、マルコ・ルビオ国務長官が「不当な拘留」に当たると認定した。
米側は中国政府に対し、敏辛をはじめ、中国国内で不当に拘束されたり出国を禁止されたりしている米国人の解放を要求。敏辛については中国側の高官に対しても釈放を求めている。
米政府が外国で拘束された米国人を「不当拘留」と正式に認定した場合、その解放は米政府が優先的に取り組む外交案件となる。
中国側「国家安全を害する活動に関与した疑い」
これに対し、中国外務省の林剣報道官は8月21日の記者会見で、中国には「いわゆる任意拘留は存在しない」と米側の主張を否定した。
林氏は、敏辛について「中国の国家安全を害する活動に関与した疑いがあり、中国の法律に違反した疑いがある」と説明。中国の司法機関が法律に基づいて事件を処理しているとした。
中国側は6月の段階では、敏辛についてスパイ活動と国家安全を害する行為に関与した疑いがあると説明していた。
外国人研究者の中国渡航にもリスク
今回の事件で注目されるのは、敏辛が不法入国したのではなく、有効なビザを所持し、中国側の招待を受けて学術会議に参加する目的で訪中していた点だ。
敏辛はミャンマー政治の専門家で、中国とミャンマーの関係にも関わる研究を行ってきた。雲南省はミャンマーと長い国境を接しており、中国にとって安全保障上重要な地域でもある。
中国では国家安全に関係する法規制が強化されており、研究、調査、情報収集などが当局から国家安全に関係する活動と判断される可能性がある。今回の事件は、中国側から正式な招待を受け、有効なビザを取得している場合でも、研究内容や活動内容によっては拘束などの対象となり得ることを示している。
中国を訪問する外国人研究者や企業関係者にとっても、現地で行う調査、資料収集、関係者への聞き取り、データの取り扱いなどについて、従来以上に慎重な対応が求められる。
出典
中央社
https://www.cna.com.tw/news/acn/202608220053.aspx
聯合報(聯合新聞網)
https://udn.com/news/story/7331/9707216
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2026年8月24日
