中国、AI人材の出国制限を家族にも拡大か 短期渡航も事前承認

中国当局が、民間企業の人工知能(AI)や半導体分野の重要人材に対する出国制限を、一部の配偶者や子どもにも広げていることが分かった。ブルームバーグが9月28日、事情を知る関係者の話として伝えた。対象となる家族は短期の海外渡航にも当局の事前承認が必要という。重要な技術や情報の米国への流出を防ぐ狙いとされるが、対象人数や適用範囲は明らかになっていない。

一部の企業創業者や幹部に通知

同通信によると、政府機関は最近、対象者への通知を始めた。対象には有力な新興企業の創業者や、AI関連分野で戦略的に重要とされる企業の責任者が含まれる。国家安全保障上、重要な業務を担う一部のAI・半導体企業幹部について、配偶者や子どもなどの近親者にも出国前の承認を求めているという。

関係者2人は、政府部門が既に複数の対象者に家族の渡航を事前申請するよう通知したと説明した。当局は今後、制限対象者の名簿を段階的に拡充する方針とされる。ただし、本人が渡航制限を受けている場合、その家族全員に同じ条件が適用されるかは不明だ。報道された措置は、対象者や家族の海外渡航を一律に禁止するものではない。

香港紙には「家族は制限なし」との証言

一方、香港紙・星島日報が9月30日に掲載した記事では、中国本土の有力AI半導体企業の幹部が、家族は現在、出国制限を受けていないと説明した。子どもも通常通り海外留学を申請できるという。

この幹部は、自身を含む機密情報を扱う社員については、数年前から出境が制限され、香港へ行く場合も厳格な承認手続きが必要だと証言した。

ブルームバーグが一部の家族への承認義務を報じた一方、星島日報が取材した幹部の家族には制限が及んでいない。取材対象者の氏名や企業名は公表されておらず、証言の違いが対象範囲や通知時期によるものかは確認できない。

本人への制限は民間企業にも

ブルームバーグは5月26日にも、アリババ集団やディープシーク(深度求索)など、民間企業の重要なAI人材が海外へ渡航する際、関係当局の承認を求められていると報じていた。今回の家族への措置は、こうした本人への管理をさらに広げる動きとされる。

同通信は、AI人材の移動制限について、中国工業情報化省にコメントを求めたが、回答はなかったとしている。香港01や台湾の中央社も家族への制限を伝えたが、いずれもブルームバーグの取材を引用した報道である。

9月施行の出入国規定とは区別

中国では別途、国務院の「出入国管理に関する規定」が9月15日に施行された。中国司法省の説明によると、輸出管理や技術輸出入管理などの規定に違反し、国家の産業安全や技術安全を損なう可能性がある中国人について、出国を認めない措置を定めている。

この規定による出国禁止と、今回報じられた家族の渡航に対する事前承認は、内容を区別する必要がある。確認した公式説明では、AI人材の家族に一律の渡航承認義務を課すとの記載は確認できず、家族への措置の具体的な根拠や審査基準も明らかになっていない。

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出典

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(2026年9月30日)

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