香港・鄒幸彤氏に懲役7年3カ月 六四追悼団体の国家政権転覆扇動罪、中国側は西側の批判に反発

香港高等法院(高裁)は9月11日、香港国家安全維持法(国安法)に基づく国家政権転覆扇動罪に問われた、民主派団体「香港市民支援愛国民主運動聯合会(支聯会)」の元副主席、鄒幸彤氏に懲役7年3カ月を言い渡した。元主席の李卓人氏には7年、元副主席の何俊仁氏には5年2カ月をそれぞれ言い渡し、既に解散した支聯会には150万香港ドルの罰金を科した。

支聯会は、1989年の天安門事件の犠牲者を追悼するため、香港で毎年6月4日に大規模なろうそく集会を開いてきた団体。鄒氏らは、国安法施行後も団体の綱領である「一党独裁の終了」などを掲げたとして起訴された。何氏は公判開始前に罪を認め、鄒氏と李氏、支聯会は無罪を主張したが、8月21日に有罪判決を受けていた。

裁判所「暴力なくても情状は重大」

判決を担当した国安法指定裁判官3人は、事件について「情状が重大」に当たると判断した。判決理由によると、事件には暴力や暴力を使うとの威嚇はなく、「一党独裁の終了」を具体的にどのような方法や日程で実現するかも示されていなかった。

一方、裁判所は、国安法施行後も活動が約14カ月続いたこと、被告らが香港社会で一定の動員力と影響力を持っていたこと、活動が香港全域に及び、幅広い年代に影響を与え得たことなどを重視した。3人について懲役7年6カ月を量刑の出発点とし、認罪や公職歴、公判の長期化などを考慮して刑期をそれぞれ減らした。

鄒氏と李氏は判決を不服として上訴する意向を示している。鄒氏は2021年9月の逮捕後、別件を含め長期間拘束されている。

台湾は判決を非難、香港政府は正当性を強調

台湾の大陸委員会は11日、判決に「遺憾と譴責」を表明した。民主主義や人権を求める活動を国安法を理由に処罰したとして、中国が掲げる「一国二制度」を批判した。

これに対し香港政府側は、被告らが政治的な意見や信念を理由に裁かれたのではなく、国安法施行後の行為を対象に司法判断が下されたと説明している。李家超行政長官や鄧炳強保安局長も、今回の量刑は事件の重大性を反映したものだと主張した。

中国中央政府駐香港連絡弁公室も11日、判決を支持するとともに、外国による批判を「干渉」だとして非難した。

中国外務省駐香港公署、西側諸国の批判に反発

中国外務省駐香港公署は今回の量刑に先立つ8月22日、前日の有罪判決を批判した米国、英国、オーストラリア、欧州連合(EU)などに反発する声明を発表した。

公署は、支聯会が「一党独裁の終了」を掲げ、中国共産党の指導的地位や国家の根本制度を覆そうとしたと主張。事件は香港の内部問題であり、外国による司法への介入は認められないとの立場を示した。

一方、英国政府は8月21日の有罪判決について、平和的な追悼活動まで国家安全保障上の脅威として扱われていると批判。EUも、表現や集会の自由、市民社会の活動空間が縮小しているとの声明を出していた。

今回の量刑を巡っても、欧米メディアや人権団体から批判が出ている一方、香港政府と中国当局は国安法に基づく正当な司法判断だとの立場を崩していない。

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(2026年9月14日)

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