甘粛省双石門で鉄砲水 キャンプ客10人死亡
中国国営新華社通信や中央テレビ(CCTV)などによると、2026年7月26日午後、甘粛省定西市渭源県の景勝地「双石門」で短時間の集中豪雨により鉄砲水が発生した。渭源県政府は同日午後6時時点で、キャンプをしていた観光客10人が死亡、23人が負傷し、174人を救助したと発表した。公安や消防、応急管理部門などが現地で救助活動を続けている。
双石門は渭源県会川鎮の南約10キロ、県城から約50キロに位置する景勝地で、高山の草原や渓流、峡谷、森林が広がる避暑地として知られる。標高は約2400~2800メートルで、夏には多くの観光客が自家用車で訪れ、川沿いでキャンプやバーベキュー、水遊びを楽しんでいた。景勝地内には指定キャンプ場は設けられておらず、観光客が景色の良い場所にテントを設営していたという。
天候が急変 わずか1時間で危険な状況に
新京報によると、生還した周青さん(仮名)は26日朝、家族ら15人で車3台に分乗して景勝地を訪れた。一行は国道212号から景勝地へ入り、入場券と駐車料金を支払った後、第一石門を越えて約800メートル先の駐車場に車を止め、午前10時ごろから草地でキャンプを始めた。当時は40~50台の車が駐車し、多くの観光客が川辺で過ごしていた。
しかし約1時間後、天候が急変した。強風と雷に続いて大粒のひょうが降り、その後は激しい雨へと変わった。一行はテントを残したまま車へ戻ったが、雨は弱まらず、川の水位は急速に上昇した。
車ごと約2キロ流され木によじ登って救助待つ
周さんは第一石門から引き返そうとしたものの、水位はすでに車の窓の3分の1まで達していた。2026年7月26日午後0時56分、友人に「車が出られない」とメッセージを送った直後、車を高台へ移そうとしたが、突然押し寄せた濁流に車ごと流された。
周さんは「2階建ての建物ほどの高さの水が一気に押し寄せた」と振り返る。車は約2キロ下流まで流される途中、フロントガラスが割れて泥水が車内へ流れ込み、別の車と衝突して一度横転した後、再び流された。景勝地入口付近で岩に引っ掛かって停止し、一家3人は割れた後部ガラスから脱出した。
その後、一家は再び流されることを避けるため近くの木によじ登り、周さんは5歳の子どもを抱えながら木にしがみついた。間もなく現場に到着した警察官に発見され、救助された。
同行家族にも犠牲 各地で豪雨災害続く
周さん一家は病院へ搬送され、容体は安定している。一方、同行した15人の家族の中には死亡した人や片脚を失った人、現在も行方不明となっている人がいるという。
周さんは「洪水が見えた時には、もう逃げることはできない。あの時、車のドアを開けて外へ逃げていたら命はなかった」と当時を振り返った。
中央通信社によると、中国では広西チワン族自治区や湖北省、甘粛省などでも豪雨や強風による災害が相次ぎ、洪水や土砂災害による被害が各地で発生している。
