中国では近年、無差別殺傷事件や通り魔事件が相次いでいる。市場や学校、公園、商業施設など不特定多数の人が集まる場所が標的となるケースが目立ち、車両を使った暴走事件や刃物による襲撃事件も増加している。中国当局は警備強化を進めているが、市民の間では治安悪化への懸念が広がっている。本記事では、AlertChinaが報じた事例をもとに、中国無差別殺傷事件の現状と背景を整理する。
中国各地で発生する無差別殺傷事件
中国では2024年以降、大規模な無差別殺傷事件が相次いで発生した。広東省珠海市では男が車で群衆に突っ込み35人が死亡したほか、江蘇省無錫市では職業学校で8人が死亡する刃物襲撃事件が発生した。2025年には浙江省金華市でも小学校前に車が突入する事件が報じられている。
AlertChinaが伝えた事件をみても、被害は全国規模で広がっている。遼寧省瀋陽市では市場周辺で男が無差別に刃物を振り回し、多数の死傷者が発生した。広東省深セン市や広西チワン族自治区では通行人を狙った襲撃事件が発生したほか、南京市や大連市では無差別襲撃や車両暴走事件が報じられた。重慶市や江西省では幼稚園を狙った刃物事件も発生している。
また、北京中心部の路上や吉林省の公園では通り魔事件が発生し、外国人を含む負傷者が出た。四川省達州市や成都市でも刃物による襲撃事件が報じられており、中国各地で類似事件が断続的に発生している状況だ。
中国社会不安との関係が指摘される背景
近年の中国無差別殺傷事は、市場や学校、横断歩道、商業施設など、人が集まる場所が犯行現場となる傾向がみられる。
背景として指摘されているのが、失業や債務問題、家庭不和、離婚トラブルなどを抱えた加害者による「社会への報復」型犯罪の増加だ。珠海市の車両暴走事件では、離婚に伴う財産分与への不満が動機と認定された。
さらに、中国経済の減速や若年層の就職難、不動産不況などを背景に社会の閉塞感が強まっているとの見方もある。こうした状況が個人の不満や孤立感を深め、無差別犯罪につながる可能性が指摘されている。
一方、中国当局は事件情報の公開に慎重な姿勢を取ることが多く、詳細な被害状況や捜査情報が十分に公表されないケースも少なくない。その結果、中国のインターネット上では未確認情報や憶測が広がり、市民の不安を増幅させる一因となっている。
公安当局は巡回警備の強化や重点施設の警戒強化を進めているものの、中国通り魔事件や無差別殺傷事件は依然として後を絶たない。社会不安の高まりを背景に、再発防止策の実効性が今後の重要な課題となっている。
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