
成都の商業施設で人型ロボットが衝突事故 隔離柵なき展示の危うさ
2026年1月28日夜、四川省成都のショッピングモール「ケッペル・ランド(凱徳広場)魅力城店」において、テナントが主催する人型ロボットのデモンストレーション中に予期せぬ事故が発生した。身長約1.6メートルの人型ロボットが、パフォーマンス中に突如として設定された歩行ルートを逸脱。観客側へと移動を開始した。現場には物理的な隔離柵やロープが設置されておらず、観客とロボットが至近距離で接する状態であった。
この急な動きに驚いた見物客の高齢男性が、衝突を避けようと後退した際にロボットと接触し、両者ともに転倒した。男性は背後の人混みにより回避スペースを失っていたという。事故直後、男性は病院へ搬送され「軟部組織挫傷」と診断された。幸いにも、治療を経て2月4日には無事退院している。運営側は高齢者の治療費全額を負担し、当該ロボットを回収。今後のパフォーマンスをすべて中止するなどの事後処理に追われた。
「当たり屋」を恐れた? SNSで拡散されたロボットの奇妙な挙動
この事故は、現場にいた複数の観客によって動画に収められ、SNS上で瞬く間に拡散された。特に注目を集めたのは、衝突後のロボットの不自然な挙動である。映像には、高齢者と接触した直後、ロボットが上半身を大きくのけぞらせながら必死に後退し、最終的に仰向けにひっくり返る様子が映っていた。
この滑稽とも言える一連の動きに対し、ネットユーザーからは「ロボットも中国特有の『当たり屋(碰瓷)』を警戒し、保身のために自分も倒れるという高等戦術を学習しているのではないか」といった皮肉交じりの書き込みが相次いだ。運営側は「プログラムの不具合はない」と主張しているが、この「不自然な回避行動の末の転倒」が、かえってAIの未熟さや、予測不能な動態環境におけるアルゴリズムの脆弱性を際立たせる結果となった。
公共空間におけるロボット運用の法的・技術的課題
今回の事故は、単なる一企業の運営ミスにとどまらず、商用ロボットが公共空間に進出する際の構造的な課題を浮き彫りにした。法律および技術の専門家は、主に二つの観点から警鐘を鳴らしている。
第一に、複雑な群衆環境における動態回避アルゴリズムの欠陥である。ショッピングモールのような人流が激しく、かつ不規則な動きをする人間が密集する場所において、現在のロボットのセンサー技術や回避プログラムは依然として不十分である。特に高齢者や子供といった予測困難な動きをする対象に対し、物理的な隔離なしに自律移動させることの危険性が改めて証明された。
第二に、公共空間におけるロボット活用の安全基準の欠如である。現在、ロボット産業は急速な発展を遂げているが、事故時のメーカー、運営者、会場提供者の責任分担については法整備が追いついていない。専門家からは、公共の場でのロボット運用において、ハードウェア的な「緊急制動システム」の搭載義務化や、厳格な安全管理プロトコルの策定を求める声が上がっている。
今後のロボット社会の実現には、技術の試行錯誤を許容しつつも、公衆の安全を担保するための「ルール作り」が不可欠である。成都での事故は、その必要性を世に知らしめる重要な契機となった。
[出典] 双双倒地,视频显示“老人没被扶起来,机器人仰面躺地”,商场回应:确有此事,后续事宜正在处理 機械人成都商場表演釀意外 與老人相碰雙雙倒地 | 星島頭條 影》怕被碰瓷?陸機器人撞到長輩「倒退狂嚕」慘仆街 畫面曝 – 兩岸 – 中時新聞網
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