未成年者のいじめ事件で市民が大規模抗議　四川

　中国四川省江油市で4日夜、未成年によるいじめ事件が発生し、加害者の態度や警察の軽い処分に市民が激怒し、大規模な抗議行動が起きた。警察は群衆を強制排除し、多数を拘束したもようだ。台湾の中央通信社などが伝えた。　ネットの投稿動画や中国メディアの報道によると、7月22日、女子生徒Ａ（14）とＢ（15）の間でトラブルが発生。Ｂが13歳と14歳の仲間2人とともにＡを廃屋に連れ込んで暴言や暴行を加えた。暴行はひざまずかせて蹴るなどの激しい内容。Ａが警察に通報すると言うと、加害者のＢは「警察なんて10回も入ったが、20分もすれば出てこられる」などと言い放った。

　動画が8月2日に拡散すると、市民の怒りが一気に広がった。4日、江油市公安局は事件について広報し、被害者は頼は軽傷で済んだとし、加害者のＢら3人についてはそれぞれ矯正教育や批判教育を受けさせたと説明した。しかし、対応が軽すぎるとして多くの市民が反発、市政府前に集まり、加害者への厳罰を求めて抗議し、警察と対峙した。　SNS「X（旧Twitter）」の著名情報発信者「李先生はあなたの先生ではない」が投稿した複数の動画によると、4日午後から抗議参加者の一部が警察に拘束され、豚を輸送する車両のようなものに乗せられて連行された。市政府前の道路は警察によって封鎖されたが、多くの市民が深夜まで集まり続け、国歌を歌いスローガンを叫んで抗議を続けた。

　警察は5日未明突然排除を開始し、市民を暴力的に拘束。現場では流血を伴う衝突も発生し、騒動は5日午前3時まで続いたという。

　香港の星島日報によると、ネット上では「加害者は公安副局長の娘」「父は弁護士」「母親は上級警察官」などの情報が拡散したが、当局はこれを否定。親の職業は無職や省外の出稼ぎ、販売員、配達員などで、流布された身元情報はデマだった。虚偽情報を発信した41歳と27歳の女性2人が行政処罰を受けた。