英議会委、対中依存で台湾危機への対応制約と警告 企業に備え要請

英国下院のビジネス・イノベーション・科学・貿易委員会は11月2日、中国との経済関係に関する報告書を公表し、対中依存の拡大が台湾海峡危機などに際して英国の行動の自由を制約しかねないと警告した。政府に一貫した対中戦略と供給網の強化を求め、台湾海峡の混乱に備えた企業ごとの対応計画や、官民合同の供給網の耐性検証を提言した。

報告書は、中国との貿易が英国企業や消費者に利益をもたらす一方、重要技術やデータの流出、不公正な補助金を背景とする競争、経済的な依存を通じた圧力などのリスクもあると指摘した。経済成長の追求と安全保障を両立させるため、経済関係を認める分野、条件付きで認める分野、認めない分野を明確にするよう求めた。

中国は米国、ドイツに次ぐ英国の第3の輸入元で、英国の総輸入の約8%を占める。報告書によると、新型コロナウイルス流行後、重要分野での対中依存が拡大した。第三国からの輸入品にも中国製の原材料などが使われるため、統計に表れにくい間接的な依存もあるとしている。

台湾海峡については、海上交通や電子機器の生産が妨げられ、英国企業の収入や中国との貿易、保険・金融にも影響が及ぶ可能性を挙げた。英国の輸入と輸出のそれぞれ3.9%が同海峡を通過するとし、海運の混乱は国際的な保険・金融拠点であるロンドンにも波及すると分析した。

委員会は政府に対し、大企業だけでなく中小企業や、東アジアの供給網・市場・投資に依存する公共機関も対象に緊急対応計画を整えるよう要求。政府の供給網センターが産業界と台湾海峡危機を想定した検証を行い、6カ月後に進捗を報告するよう求めた。

また、政府の対中政策は場当たり的で一貫性や透明性に欠け、企業の投資判断を難しくしていると批判した。一方、英政府報道官は英紙ガーディアンに対し、委員会の結論には同意しないと述べた。これは議会委員会の勧告であり、政府が全てを政策として採用したことを示すものではない。

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