米紙ニューヨーク・タイムズは10月30日、日本のテレビドラマ「VIVANT」に対する中国側の批判が、関連商品の販売を巡る企業判断にも波及したと報じた。中国政府や国営メディアは中国の情報機関を描く表現に反発し、サンリオは作品との商品コラボレーションを終了した。制作・放送するTBSは、作品は完全なフィクションで、特定の国をおとしめる意図はないと説明している。
記事を執筆したハビエル・エルナンデス、上野久子両記者によると、7月に始まった第2シーズンには、架空の中国情報機関「シンシー」が登場する。中国側工作員による日本側要員への拷問場面などが批判の対象となった。中国中央テレビは10月25日、作品を非難する投稿を行い、外務省の郭嘉昆報道官も29日の記者会見で、中国への否定的な感情を広める作品だと主張した。
サンリオの中国法人は28日夜、関連商品を巡る協業の終了を発表し、懸念を招いたとして謝罪した。中央通信社は29日、中国法人による28日夜の発表を報じた。米紙は29日にサンリオが協業終了を表明したと伝えた。
TBSの龍宝正峰社長は28日の記者会見で、特定の国をおとしめないことが大前提だと説明した。同作は日本の自衛隊と関わる架空の情報組織「別班」を描くが、劇中の設定を実在する組織や活動と同一視することはできない。
米紙は、台湾を巡る高市早苗首相の発言などで日中関係が緊張する中、対立が文化分野にも広がった事例と位置付けた。中国側の批判や専門家による政治的意図の分析は、それぞれの主張として紹介している。
出典:Javier C. Hernández、Hisako Ueno/The New York Times、2026年10月30日。原題:How a Japanese Spy Drama Became the Target of China’s Anger。原記事。補足:中央通信社、2026年10月29日。
