中国外務省、米国の孔子学院「安全保障上の脅威」指定に反発 教育交流への中傷と批判

中国外務省の郭嘉昆報道官は10月26日の定例記者会見で、米国防総省が中国政府の支援を受ける教育・文化機関「孔子学院」を国家安全保障上の脅威に指定したことについて、米国による中傷と不当な扱いに反対すると表明した。米国防総省は23日、米国内の大学で名称や組織形態を変えて活動する孔子学院の関連組織を問題視し、国家安全保障上の脅威に指定した。中国側は、両国の教育交流は相互理解を深めるものであり、政治的な理由で妨げるべきではないと主張した。

中国外務省、26日の記者会見で反対を表明

 ロイターによると、郭報道官は26日の定例記者会見で、米国防総省による孔子学院の指定について質問を受け、中国政府の立場を説明した。

 郭氏は、中国と米国の教育交流は双方に利益をもたらし、両国民の相互理解を深めることに役立っていると強調した。

 そのうえで、米国が孔子学院を中傷し、否定的なイメージを広めることに反対すると述べた。

 今回の発言は、23日の米国防総省による指定に対する中国政府の公式な反応に当たる。

 ただし、26日の会見で中国側が具体的な対抗措置を発表したことは、今回確認した報道からは認められない。

米国防総省、23日に国家安全保障上の脅威に指定

 米国防総省のヘグセス長官は23日、孔子学院を国家安全保障上の脅威に指定したと発表した。

 孔子学院は、中国語教育や中国文化の紹介などを目的として、中国側の支援を受けて海外の大学などに設置されてきた教育・文化機関である。

 米国では、中国政府が孔子学院を通じて大学の教育内容や研究活動に影響を及ぼす可能性があるとの懸念が以前から示されてきた。

 米国防総省は今回、孔子学院そのものだけでなく、名称や運営形態を変更した関連組織も問題視した。

 ヘグセス長官は、米国内の約30大学で約80の関連組織が活動していたと主張した。

 長官によると、これらの組織は異なる名称や設立規定を使っていたものの、知的財産の窃取や米国の学生に対する政治的な影響工作を目的としていたという。

 ただし、これらは米国防総省の主張であり、約80組織すべてについて違法行為が司法手続きで立証されたことを意味しない。

米国防長官、関連組織を解体したと説明

 ヘグセス長官は、米国防総省が過去2カ月間に約80の関連組織を組織的に解体したと説明した。

 ただし、各組織に対して具体的にどのような措置が取られたかについて、今回確認したロイターの報道では詳細が明らかになっていない。

 大学との提携終了、教育プログラムの停止、法人の解散などは、それぞれ異なる措置である。

 また、米国防総省が問題視した組織の中には、孔子学院の閉鎖後に設置された中国語教育や文化交流のプログラムも含まれるとみられる。

 中国語教育を実施していること自体と、知的財産の窃取などの違法行為を行ったことは区別する必要がある。

中国側、教育交流の意義を強調

 中国外務省は26日の記者会見で、孔子学院を巡る問題を教育交流の観点から説明した。

 郭報道官は、教育分野での交流と協力が米中双方の利益にかなうと述べ、米国側による孔子学院への否定的な評価を批判した。

 中国側は、孔子学院を語学教育や文化交流のための機関と位置付けている。

 一方、米国側は、中国政府による資金提供や運営への関与が、大学の独立性や研究情報の管理に影響する可能性を問題視している。

 両国の立場には、孔子学院の活動目的と安全保障上の影響をどう評価するかについて隔たりがある。

中国国営メディアも米国の指定を批判

 ロイターによると、中国国営の新華社は25日、米国防総省による孔子学院の指定について批判する論評を掲載した。

 新華社は、米国の一部政治家が中国に対する脅威認識をゆがめ、国内政治上の目的で反中感情を強めていると主張した。

 ただし、これは中国国営メディアによる政治的評価であり、米国防総省が指定に至った法的根拠や個別組織の活動実態を検証した結果ではない。

 米国では11月に中間選挙が予定されているが、今回の指定が選挙を目的として行われたかどうかについて、独立した事実として確認できていない。

米中の大学交流を巡る対立

 孔子学院を巡る対立は、米中間の教育・研究交流に対する安全保障上の懸念と関係している。

 米国では以前から、外国政府と大学との提携について、資金提供の透明性や研究成果の管理、学問の自由への影響が議論されてきた。

 特に、中国の政府機関や関連組織との協力については、大学の研究活動や技術移転との関係が問題視されている。

 一方、中国側は、こうした規制が教育交流の政治問題化につながると批判している。

 今回の問題では、米国防総省が23日に指定を発表し、中国外務省が26日に反対を表明した。両者は異なる日付の別個の動きであり、26日に新たな指定が行われたわけではない。

 中国外務省は教育交流の意義を強調したが、米国側の指定を受けた具体的な対応方針については、今回の会見で明らかにしていない。

出典

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(2026年10月27日)

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