中国商務省は10月26日、外国の企業や組織による営業秘密の侵害に対し、中国国内での新規投資や商品・技術の輸出入を制限できる制度の案を公表した。中国の国家主権、安全保障、発展上の利益を損なう外国の組織などを対象とし、違反行為の内容に応じて制限や禁止措置を講じる仕組みを想定している。意見募集の期限は11月24日。制度はまだ正式に施行されておらず、具体的な規制対象企業も今回の発表では明らかにされていない。
外国の組織による営業秘密侵害を規制
商務省が26日に公表した通知と規定案によると、中国商務省が公表した規制案は、外国の組織などが中国企業の営業秘密を侵害する行為への対抗措置を定める内容となっている。
営業秘密には、企業が保有する製造技術や研究開発情報、顧客情報、取引条件など、一般に公開されておらず、競争上の価値を持つ情報が含まれる。
今回の案では、外国の組織などによる営業秘密侵害が、中国の国家主権、安全保障、発展上の利益を損なう場合、またはそれらに現実的な脅威を与える場合に、対抗措置を講じることを想定している。
対象となる行為の具体的な認定基準や、個々の違反行為に適用する措置の詳細については、正式な制度が確定するまで慎重に確認する必要がある。
中国国内での新規投資を制限する可能性
規制案では、対抗措置の一つとして、対象となる外国の組織などによる中国国内での新規投資を制限、または禁止できるとしている。
中国で事業を展開する外国企業にとって、新たな工場の設置や事業拡張、投資案件などが規制の影響を受ける可能性がある。
ただし、今回公表されたのは制度案であり、すべての外国企業の新規投資が制限されるわけではない。
また、既存の投資案件や事業活動がどのように扱われるかについても、正式な制度の内容や個別の措置を確認する必要がある。
中国商務省は、今回の規制案に基づいて特定の外国企業への投資禁止措置を発動したとは発表していない。
商品・技術の輸出入も制限対象に
規制案は、中国に関連する商品や技術の輸出入についても、制限や禁止の対象とすることを想定している。
外国企業が中国から製品や部品を調達する場合や、中国市場向けに技術を供給する場合、規制対象となれば取引に影響する可能性がある。
ただし、規制案に盛り込まれた措置と、実際に発動される措置は区別する必要がある。対象企業、対象品目、制限期間などは、個別の判断によって異なる可能性がある。
今回の報道からは、特定の産業や製品が一律に輸出入禁止となることは確認できない。
国家安全保障と営業秘密保護を結び付ける制度
中国では近年、国家安全保障に関連する法制度が整備され、企業活動における情報管理や技術移転に対する規制が強化されてきた。
営業秘密の保護自体は、企業間の公正な競争を確保するための制度として各国に存在する。一方、今回の案は、外国の組織による営業秘密侵害が国家安全保障などに影響する場合、通常の民事上の損害賠償などとは別に、政府が対抗措置を講じる仕組みを設けようとする点に特徴がある。
中国はこれまでにも、外国の組織などによる中国企業への差別的な措置に対応するため、不可靠実体清単(信頼できない企業・団体のリスト)などの制度を導入している。
今回の規制案と既存制度の関係、措置の重複適用の可否などについては、正式な規定を確認する必要がある。
11月24日まで意見募集
中国商務省は規制案について、11月24日まで意見を募集する。
意見募集の終了後、提出された意見を踏まえて規定の内容が修正される可能性がある。正式な公布日や施行日は、今回確認した情報では確定していない。
外国企業にとっては、営業秘密侵害の認定基準、対抗措置の対象範囲、投資や貿易に関する制限の具体的な内容が焦点となる。
今回の発表は、中国が外国企業に対する新たな制裁を直ちに発動したことを意味するものではない。制度案の公表と、正式な制度の施行、個別企業への措置の発動は、それぞれ異なる段階にある。
出典
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(2026年10月27日)
