中国の海外信託課税、90日間の申告猶予が終了 富裕層の一部は納税見送り

中国で海外信託を利用した資産管理に対する個人所得税の徴収が強化される中、過去の未納税額を申告するための90日間の猶予期間が10月22日に終了した。中国の経済メディア、財新によると、税務当局から通知を受けた企業経営者の多くは申告と納税を済ませた一方、課税範囲や税額を巡る疑問から申告を見送る富裕層もいる。猶予期間終了後は、過去の未納税額に対する延滞金の問題も生じる。

海外信託の未納税額、90日間の猶予が終了

財新が22日に報じたところによると、海外信託に関する個人所得税の申告・納付について、90日間の経過措置が同日終了した。

海外信託は、資産保有者が海外の信託制度を利用して株式や金融資産などを管理する仕組みで、中国の富裕層や企業経営者にも利用されている。

今回の問題では、海外信託を通じて保有・運用されてきた資産について、中国の個人所得税上どのように扱うかが焦点となっている。

財新によると、猶予期間終了後に過去の未納税額を申告した場合、税務当局が延滞金を加算することになる。

多くが納税、一部は申告を見送り

財新は、最初に税務当局から通知を受けた企業経営者の多くが、期限までに申告・納税を済ませたと報じた。

一方、課税対象となる資産や所得の範囲、税額の算定、過去の運用益に対する課税などについて疑問が残るとして、対応を見送る高額資産保有者もいるという。

税務専門家は、申告が進まない背景として、納税資金の手当てが難しい場合や、課税当局の解釈について異なる見解がある場合を挙げている。

ただし、未申告者の人数や未納税額の総額について、公式な統計は確認されていない。

過去の運用益への課税が争点

海外信託を巡る課税では、資産を信託に移した時点、信託が運用益を得た時点、受益者が分配を受けた時点など、どの段階で課税するかが重要となる。

過去の取引にさかのぼって納税義務が生じる場合、資産保有者には大きな資金負担が発生する可能性がある。

財新の報道では、こうした課税範囲や過去の利益の扱いについて、納税者の間に疑問が残っていることが示されている。

海外資産の管理にも影響

中国の税務当局が海外資産への課税を強化する動きは、富裕層の資産管理や海外の金融機関との取引にも影響する可能性がある。

中央社は23日、米CNBCの報道として、中国の富裕層が海外資産に対する税務調査を警戒し、香港やシンガポールの銀行から米国の銀行へ資金を移す動きがあると伝えた。

ただし、こうした資金移転の規模や人数について、中国当局の公式集計は確認されていない。

また、海外の銀行に資金を移すこと自体が直ちに違法となるわけではなく、資産保有者の居住地や所得の種類などによって納税義務は異なる。

税務当局の今後の対応が焦点

90日間の猶予期間が終了したことで、今後は期限までに申告しなかった資産保有者への対応が注目される。

海外信託の課税範囲や過去の利益に対する税務処理について、当局から追加の説明が出るかどうかも焦点となる。

今回の報道は、海外信託を利用する富裕層の納税対応について伝えたものであり、中国の海外資産保有者全員に一律の追徴課税が行われることを意味するものではない。

出典

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