中国の国家インターネット緊急対応センター(CNCERT)は10月20日、複数の省でインターネット利用者が意図せず賭博サイトに誘導される事案が相次いだとして、調査報告を公表した。攻撃者が国外のネットワークを利用して通信経路を乗っ取り、ウェブサイトの接続先情報を書き換えたと説明している。
同センターによると、攻撃に使われたのは「AS402425」と呼ばれる国外の自律システムだ。自律システムは、通信事業者や企業などが共通の方針で通信経路を管理するネットワークの単位で、402425は識別番号を指す。攻撃者はこの仕組みを悪用し、中国国内の一部の通信を自らが管理する経路へ引き込んだという。
偽の経路情報で通信を引き込み
報告は、攻撃者がインターネットの経路情報を登録するデータベースに虚偽の情報を登録し、偽の経路を外部に通知したと指摘した。そのうえで、引き込んだ通信に含まれるDNSの応答データを改ざんしたとしている。
DNSは、ウェブサイトのドメイン名から実際の接続先を調べる仕組みだ。攻撃には、接続先を直接賭博サイトのアドレスに変更する方法と、不正なDNSサーバーを参照させ、そこから賭博サイトのアドレスを返す方法があったという。
同センターは技術的な測定から、改ざんがAS402425内で行われたと判断した。同ネットワークは米企業QOREXA LABSが2026年4月9日に登録したものだと説明した。ただし、ネットワークの登録名義と攻撃の実行主体は別であり、報告は攻撃者の国籍や所属を特定していない。
通信事業者に不正な経路の遮断を要請
同センターは通信事業者に対し、外部から受け取る経路情報を検証し、AS402425を含む不正な経路を拒否、削除するよう求めた。インターネットサービス事業者には、接続先情報や通信経路の異常を監視し、乗っ取りを確認した場合は上流の通信事業者に対応を求めるよう促した。
利用者には、不審な誘導先でボタンやリンクを押したり、プログラムをダウンロードしたりせず、直ちにページを閉じるよう呼びかけた。ブラウザーのキャッシュ削除、基本ソフトとブラウザーの更新も勧めている。公表内容では、被害が発生した省名や利用者数、金銭被害の総額は示されていない。
出典
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(2026年10月21日)
