ヤクザがまとった「任侠」の仮面と政治権力との結びつき

『ニューヨーカー』のイアン・ブルマは、アンドルー・ランキンの著書を手掛かりに、日本のヤクザが武士道、忠誠、自己犠牲を重んじる「任侠」のイメージを、長い時間をかけて作り上げてきたと紹介する。映画や刺青、儀礼はその神話を広めたが、実際の活動は恐喝、売春、密輸、政治的暴力などだったという。ブルマは、社会や国家が不安定になるたび、権力者が反対派の抑圧や秩序維持のために犯罪組織を利用してきた点を強調する。こうした政治、警察、企業と裏社会の重なりが、日本の組織犯罪の特徴を形作ったとの見方だ。近年は法規制や合法企業からの排除で旧来の勢力は弱まった一方、地下経済は残り、外国系犯罪組織との競争も進む。著者は、伝統を掲げるヤクザ像と、変質する犯罪市場の落差を描いている。

出典

Ian Buruma(イアン・ブルマ)/The New Yorker。紹介対象:Andrew Rankin『Yakuza: A 400-Year History of the Japanese Underworld』。原記事URL:https://www.newyorker.com/magazine/2026/10/19/yakuza-a-400-year-history-of-the-japanese-underworld-andrew-rankin-book-review

タイトルとURLをコピーしました