ローウィー研究所の論評は、北朝鮮が日本を敵対国と位置付けながら、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)という組織的・資金的・思想的な基盤を国内に持つ点に注目する。北朝鮮による南北統一方針の放棄は、朝鮮総聯系学校の教材や組織運営に影響を与え、若年層の離脱や学生数減少も進んでいるとする。一方、金正恩政権は学生への資金援助や幹部・教育関係者への働き掛けを強め、組織の維持を図っているという。著者は、朝鮮総聯系の日本語情報サイト開設などを踏まえ、今後は対北朝鮮宣伝、資金調達、サイバー活動、諜報、交流事業の拠点として役割が拡大する可能性を指摘する。日朝関係が改善しない中、衰退する遺物ではなく、北朝鮮にとって小規模ながら重要性を増す足場になり得るとの分析である。
出典
Gabriela Bernal、ローウィー研究所「The Interpreter」
https://www.lowyinstitute.org/the-interpreter/pyongyang-s-quiet-foothold-in-japan
