ワシントンD.C.の米連邦控訴裁、DJIの中国軍工企業リスト掲載を再審理へ

米コロンビア特別区巡回控訴裁判所は2026年8月14日、中国のドローン最大手、大疆創新(DJI)が米国防総省の「中国軍事企業」リストに指定されたことを巡る訴訟で、連邦地裁に審理をやり直すよう命じた。地裁が機密指定されていない記録だけを根拠に、DJIが中国の国防産業基盤に貢献していると認定したことには誤りがあったと判断した。DJIが国防総省のブラックリストから除外される可能性が出てきた。

DJIのブラックリスト指定を地裁で再審理

控訴裁は2026年8月14日の判決で、国防長官がDJIを中国の国防産業基盤に貢献している企業と認定した理由について、公に示された合理的な根拠がないと指摘した。その上で事件を地裁に差し戻し、DJIの指定を維持すべきか改めて審理するよう命じた。

地裁は再審理に際し、非機密資料だけでなく機密記録を参照した上で、国防総省による指定を維持するかどうかを判断することができる。今回の判決はDJIのブラックリスト指定そのものを取り消したものではなく、指定の妥当性について地裁が再び判断することになる。

DJIは2024年10月に米国防総省を提訴

米国防総省は2022年、DJIを中国軍と関係がある企業として「中国軍事企業」リストに加えた。同リストに掲載された企業については、米国防総省との契約が禁止される。さらに2027年には、第三者を通じて対象企業の製品を調達することも禁止する、より広範な規制が発効する予定だ。

DJIは2024年10月、国防総省による指定を不服として提訴し、リストからの除外を求めた。同社は指定について「違法で誤解を招くもの」だと主張。ブラックリストへの掲載によって米連邦政府の複数の機関と契約できなくなり、商業契約を失ったほか、国家安全保障上の脅威との汚名を着せられたと訴えた。

ワシントンの連邦地裁は2025年9月、DJI側の訴えを退けた。DJIは判決を不服として2025年10月に控訴した。

控訴裁はDJIの4つの主張のうち1つを認める

DJIは控訴審で4つの理由から指定に異議を唱えた。第1に国防総省が指定前に適正な手続きを踏まなかったこと、第2に中国の軍需産業計画機関が始めた科学技術活動を通じ、DJIが政府の支援を受けたことを示す証拠が非機密資料にはないことを挙げた。

第3に、自社と類似した状況にあるとDJIが考える他企業と異なる扱いを受けた理由を国防総省が説明していないこと、第4に、DJIが中国の国防産業基盤に貢献しているとの結論を裏付けるには非機密記録が不十分だと主張した。

控訴裁が認めたのは第4の主張だった。これを受けて地裁は、機密記録を含めた資料を踏まえて指定の妥当性を再び審理する。

中国企業によるブラックリスト指定への提訴相次ぐ

DJIの広報担当者は2026年8月14日の判決について、「不当な指定を是正するための重要な一歩」と評価した。同社は一貫して自社は軍需企業ではないと主張している。米国防総省は係争中の訴訟についてコメントを控えた。

米国防総省は2026年6月、ブラックリストを188社に拡大した。電子商取引大手のアリババも対象となり、2026年6月にリストからの除外を求めて提訴した。2026年8月上旬には別の裁判官が、中国のバイオテクノロジー企業を同リストに加えることを禁止する仮差し止め命令を出している。中国企業によるブラックリスト指定を巡る法廷闘争が相次いでいる。

出典

2026年8月17日

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