中国、尖閣諸島ドキュメンタリーを世界配信 「中国固有の領土」主張を国際発信

中国、尖閣諸島ドキュメンタリーを世界配信

 【北京2026年7月26日、27日】中国中央広播電視総台(CMG)傘下の海外向け放送局・中国国際テレビ(CGTN)は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権問題を扱う大型ドキュメンタリー『釣魚島:波濤下的真相』を制作し、2026年7月27日から31日まで世界向けに放送する。中国政府の領有権に関する立場を国際社会へ発信する内容で、中国メディアの観察者網、中国日報、中国中央テレビ(CCTV)などが伝えた。

 作品は中国、日本、米国、英国で撮影され、政治、歴史、法学分野の中国内外の研究者30人以上や、歴史的出来事の関係者らに取材した。歴史資料や法理、口述証言を通じ、中国側が主張する尖閣諸島の歴史認識を紹介している。

歴史資料や漁民の証言を収録

 番組では、台湾・宜蘭県の漁民の証言、600年以上前の航海文献、中国と琉球に関する歴史文献、世界各国の古地図などを取り上げ、「釣魚島は古来、中国固有の領土」との立場を示している。

 取材対象には台湾の漁民・蔡源龍氏、楊徳信氏のほか、中国の研究者・呉天穎氏、日本の龍谷大学教授・松島泰勝氏、米国のドキュメンタリー監督クリス・D・ネーベ氏(Chris D. Nebe)、撮影監督のJJ・オズバン氏(JJ Osbun)らが含まれる。

 中国日報によると、蔡源龍氏は番組の中で「祖父の代から約100年にわたり釣魚台海域で漁をしてきた。釣魚台は私たちの漁場であり、先祖が生計を立ててきた場所だ」と語り、「以前は自由に出入りできたが、現在は12カイリ以内にも入れず、先祖代々の漁場を失った」と述べている。

全5部構成で歴史から現在までを紹介

 番組は「追い風に乗る航路」「尖閣編入の実態」「米国への施政権移管」「争点の棚上げ」「荒波を恐れず」の5部構成で、日本による尖閣諸島編入の経緯や日米関係、1970年代の日中間で形成されたとされる「棚上げ」の経緯、中国海警局による周辺海域での活動などを取り上げる。

 また、「日本が公然・秘密裏に進めた10年に及ぶ計画」を紹介するとともに、日米連携の下で生じたとする法的問題点を取り上げる内容となっている。

 番組では、日本政府の公文書や日中双方の研究者の証言を引用し、日本による琉球編入や尖閣諸島の調査の経緯を紹介するほか、故・田中角栄元首相の訪中や鄧小平氏の訪日などに関わった研究者や外交官へのインタビューを収録し、日中両国が尖閣諸島問題について「争いを棚上げする」との認識に至った経緯を振り返っている。

CGTNで世界放送、映画版も公開

 ドキュメンタリーは2026年7月27日から31日までCGTN英語チャンネルで毎日午後1時30分から全5話を放送する。さらに7月27日午前4時にはCGTNドキュメンタリーチャンネルで、8月2日午後10時5分にはCCTV-9で75分の映画版を放送する予定である。

 中国国営メディアは、この作品について、日本で「新たな軍国主義が台頭し、右翼勢力が拡大している」との認識を示した上で、歴史を振り返り真実を明らかにすることには重要な現実的意義があるとしている。

 中国はドキュメンタリー制作と並行し、尖閣諸島周辺での活動も継続している。共同通信によると、2026年7月23日午後4時5分ごろから、中国海警局の船舶4隻が相次いで尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入した。中国公船による領海侵入は7月7日に続くもので、今年に入って14日目となった。


出典

関連記事

タイトルとURLをコピーしました