男児9人誘拐の仲介役「梅姨」を逮捕 広東省で20年の逃亡に終止符

男児9人を人身売買目的で誘拐 広東の70代女性逮捕

広州増城警察は2026年3月21日、少なくとも9人の男児を誘拐し人身売買を仲介したとして、広東省河源市紫金県水墩鎮黄砂村に住む、自称「結婚相手紹介業」の70代の女性、謝某某容疑者を逮捕した。中国メディアの九派新聞などが伝えた。

警察によると、女性は2003年9月から2005年12月にかけて広州増城や恵州博羅で発生した児童誘拐事件に関与した疑い。2016年に共犯の張維平容疑者ら5人が先に逮捕された際、供述から児童の売り手と買い手をつなぐ「仲介役」として「梅姨(メイイー)」と呼ばれる女性の存在が浮上した。警察は2017年に似顔絵を公開し行方を追っていたが、このほど潜伏先の黄砂村で身柄を確保した。

近隣の住民の証言によれば、女性は「潘(パン)」姓を名乗り、表向きは「結婚紹介業者」を自称して、妻に先立たれた高齢男性と同居していた。たばこを吸い、多額の現金を周囲に見せびらかすなど派手な振る舞いも見られたという。また、常に6歳前後の少女を連れていたが、周囲には「自分の孫」と説明していた。

巧妙な潜伏生活と「仲介役」としての実態

謝容疑者が潜伏していた河源市紫金県の黄砂村は、山間部に位置し、外部との接触が限られた閉鎖的なコミュニティであった。ここで彼女は「潘冬梅」という偽名を用い、身分を偽ることで20年近い逃亡生活を送っていた。同居していた彭氏によれば、彼女は身分証を見せることを頑なに拒み、結婚を迫ると「実家に戸籍謄本を取りに行く」と嘘をついて失踪するなど、極めて警戒心の強い行動をとっていた。

人身売買の構造において、謝容疑者のような「仲介役」は極めて重要なポストを占める。実行犯である張維平らが誘拐してきた子供を預かり、自身の持つ「仲人」という表向きのネットワークを駆使して、子供を欲しがる買い手へと繋ぐ役割を果たしていた。中国の農村部では、跡継ぎとしての男児を求める需要が根強く、こうした闇の市場が長年維持されてきた背景がある。謝容疑者が多額の現金を所持していたという証言は、人身売買が非常に収益性の高い犯罪ビジネスとして成立していたことを裏付けている。

今回の逮捕劇において注目すべきは、ネット上で長年拡散されてきた彼女の「写真」がすべて偽物であったという点だ。警察当局は、2017年に公開された似顔絵以降、彼女の容姿は加齢により大きく変化しており、現在流布している画像は本人ではないと断言している。これは、情報の錯綜が捜査を攪乱し、結果として彼女の逃亡を助けていた側面があることを示唆している。

児童誘拐対策の強化と社会への影響

中国政府は近年、児童誘拐や人身売買に対して極めて厳しい姿勢を打ち出している。公安部が主導する行方不明児童捜索システム「団圓(トゥアンユエン)」の導入や、DNAデータベースの活用により、過去の未解決事件が次々と解決に向かっている。本件においても、2016年の実行犯逮捕から10年越しで主謀格の身柄を確保したことは、警察の執念とテクノロジーによる捜査網の拡大を象徴している。

また、本事件の被害者である申軍良氏をはじめとする家族たちの執念も、社会を動かす大きな力となった。申氏は私財を投じて中国全土を歩き回り、情報の提供を呼びかけ続けてきた。こうした「子探しの親」たちの活動がメディアやSNSを通じて拡散されることで、人身売買問題に対する国民の関心はかつてないほど高まっており、法整備の強化を求める世論を後押ししている。

謝容疑者の逮捕は、一つの区切りではあるが、依然として行方が分かっていない子供たちは多い。彼女が関与した取引の全貌解明が進めば、さらに多くの子供たちが家族の元へ戻れる可能性がある。中国当局は今後、謝容疑者の供述に基づき、買い手側の摘発も含めた全容解明を急ぐ方針だ。

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