春節の訪日便3割超が欠航、日中関係悪化で予約激減 観光客の東南アジアシフト鮮明に

日中関係の冷え込みが直撃、春節の訪日便36%が欠航

2026年の春節(旧正月)を控えた中国の大型連休輸送ピーク「春運」期間中、中国本土から日本へ向かう航空路線の欠航が異常事態とも言える規模で相次いでいる。航空データ分析機関「航班管家」が1月15日までにまとめた統計によると、日本路線の欠航数は全体の36%に相当する計2,376便に達した。

特に訪日路線の主要拠点である上海浦東国際空港では、全便の半数近い1,200便以上が欠航。さらに南京禄口、北京大興、天津浜海の各空港でも多数の便が運休を余儀なくされている。昨年の春運と比較して、日本路線の便数は前年同期比で40%以上も減少しており、コロナ禍からの回復基調にあった日中間の航空需要は完全に逆回転を始めている。

この背景には、2025年秋から続く日中関係の急速な冷え込みがある。特に中国が軍民両用品の対日輸出規制を強化するなど、通商・外交の両面で緊張が高まっていた。今回の大量欠航は、こうした政治的対立が実体経済、とりわけ観光・航空産業に波及した形だ。

高市首相の「台湾発言」と中国当局による訪日抑制の意図

事態を悪化させた決定打は、日本の高市早苗首相による台湾情勢を巡る発言だ。高市首相が台湾の安全保障を巡り踏み込んだ言及をしたことに対し、中国側は「内政干渉」であると猛烈に反発。外交ルートを通じた抗議に留まらず、実質的な経済制裁に近い措置を講じている。

報道によれば、中国当局は国内の旅行各社に対し、訪日団体旅行の抑制やプロモーションの自粛を非公式に指示したとされる。これにより、個人旅行客も含めた訪日マインドが急速に減退。航空各社は予約の激減を受けて、日中46路線の全面運休や大幅な減便を余儀なくされており、中国の三大航空会社(中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空)の黒字化計画にも深刻な影を落としている。

また、文化交流面でも影響は波及しており、広州でのジブリ展延期やマカオでの日本人アーティストの公演中止など、エンターテインメント領域でも「日本排除」の動きが顕著だ。

観光客の「脱日本」加速、タイ・韓国へのシフトが鮮明

日本の航空便が大幅な減少を見せる一方で、2026年の春運における国際線出発便の首位に返り咲いたのはタイである。中国政府による査証(ビザ)免除措置の継続や、親密な外交関係を背景に、中国人の旅行先はタイ、韓国、マレーシアなどへと明確にシフトしている。

先月も計画の4割超にあたる1,900便以上が欠航しており、今回の春節期間中の大量欠航は、一過性の現象ではなく日中関係の「構造的な凍結」を示唆している。日本国内の観光業界からは、春節のインバウンド消費による経済効果を期待する声もあったが、現在の政治情勢が改善されない限り、訪日客の回復は見込めない状況だ。

中国当局による「ゼロコロナ政策」終了後の海外旅行ブームにおいて、日本はかつて最大の目的地の一つであった。しかし、政治的対立が航空路線の維持すら困難にする現状は、両国の経済的相互依存関係がいかに脆弱であるかを浮き彫りにしている。冷え込みが長期化するなか、航空業界や観光産業は、中国市場への過度な依存を見直す戦略的転換を迫られている。


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