中ロが対日警戒で一致 王毅訪ロと対日警戒の強化 欧州情勢・ウクライナ問題でも協調深化

中ロ外相・高官が会談 日本問題で戦略すり合わせを強化

中国の王毅外相は12月2日、ロシア・モスクワでラブロフ外相と会談し、その後ショイグ書記と第20回中ロ戦略安全対話を共同主催した。中国外務省は12月3日に声明を出し、双方が二国間関係および戦略的安全保障に関わる重大問題で「新たな共通認識」に達したと発表した。
特に日本関連の議題では「戦略対表(すり合わせ)」が重点的に行われ、「高度の一致」が形成されたという。

DWは、中国が高市早苗首相の「台湾有事」発言で悪化した日中関係の局面で、対日牽制を強める外交線を明確にしていると分析した。

王毅氏は会談で、「日本の極右勢力による再軍事化の挑発行為を断固阻止する」と述べた。これは、日本の防衛政策を強く警戒する中国の立場を重ねて鮮明にした発言だ。

ショイグ氏は戦略安全対話で、

「軍国主義という九頭の怪物が再び頭をもたげているが、モスクワと北京はその首を断ち切る十分な経験がある」
と述べ、日本の安全保障政策を厳しく批判した。また、「欧州や日本で犯罪的政権が復活することを許さない」と強調し、中ロの歴史観を外交と安全保障の基軸に据える姿勢を示した。

双方は、第二次世界大戦の勝利成果を共同で守り、植民地侵略史の美化や軍国主義の巻き返しに断固反対する立場を再確認した。


ロシアは「一つの中国」原則を再確認 ウクライナ情勢でも中ロの協調続く

ラブロフ氏は、今年両国首脳の相互訪問が中ロ関係に新たな動力を与えたと評価し、「ロシアは一つの中国原則を揺るがず支持する」と述べた。台湾問題、新疆、チベット、香港をめぐる中国の立場に対しても全面的な支持を示した。

ウクライナ問題では、王毅氏が「政治的解決に向け建設的役割を果たし続ける」と発言した。DWは、中国が欧州各国との外交接触でウクライナ情勢に独自の影響力を模索していると指摘し、中ロ協調の持続が国際秩序に複合的な影響をもたらす可能性を示した。


マクロン大統領が訪中 経済協力から国際秩序まで広範な議題に

フランスのマクロン大統領は12月3日に北京入りし、3日間の国賓訪問を開始した。航空分野を含む経済協力に加え、農産品貿易の拡大、人文交流(いわゆる「パンダ外交」)なども取り上げられる見通しだ。

さらに、フランスが2026年のG7議長国を務めることから、国際協力やグローバルガバナンスも主要議題とされる。マクロン氏は訪中直前、パリでウクライナのゼレンスキー大統領を迎えており、習近平国家主席との協議では欧州の立場を踏まえた調整が行われる可能性が高い。


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