中国湖北省武漢市の政府や研究機関が、新型コロナウイルスの感染拡大を巡って米国ミズーリ州などを相手取り、3564億元余りの損害賠償を求める訴訟を起こした。中央通信社によると、武漢市中級人民法院(地裁)は10月30日に審理を行い、11月2日に公表した。原告側は、米国で起こされた訴訟や関連する発言によって名誉を傷つけられ、多額の損失を被ったと主張している。
原告は武漢市政府、中国科学院、中国科学院武漢ウイルス研究所の3機関。被告はミズーリ州と、同州の現職・元司法長官3人である。
ロイター通信によると、被告にはエリック・シュミット元司法長官、アンドルー・ベイリー前司法長官、キャサリン・ハナウェー司法長官が含まれる。
原告側は、被告が米国内で悪意のある訴訟を企画・推進し、事実に反する情報を広め、中国側に対する中傷や差別的な発言を行ったと主張した。これらの行為が原告の名誉権を著しく侵害し、経済的損失をもたらしたとして、侵害行為の停止、公開謝罪、名誉回復、損害賠償などを求めている。
2020年の米国側訴訟が発端
今回の訴訟は、ミズーリ州が2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済的損失について、中国政府などの責任を追及する訴訟を起こしたことに端を発する。
米国側は、中国当局が感染症に関する情報を隠蔽したなどと主張し、湖北省政府、武漢市政府、中国科学院、武漢ウイルス研究所などを被告とした。米国側の訴訟では中国側に対する欠席判決が出されている。
これに対し、中国側は、米国側の訴訟や関連する主張そのものが名誉権を侵害しているとして、中国の裁判所に訴えを起こした。
香港紙、米国側の約2倍と報道
香港紙の報道によると、中国側の請求額は米国側の賠償額の約2倍に相当する。ロイター通信は、中国側の請求額について、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を引用し、3564億4000万元と伝えた。
武漢市中級人民法院での審理は継続中で、判決は出ていない。ロイターによると、ミズーリ州司法長官事務所は取材に対して直ちには回答しなかった。
出典
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(2026年11月5日)
