中国広東省深圳市で11月18~19日に予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、宅配便や物流の安全管理が強化されている。台湾の聯合報が10月31日、深圳向けの一部商品について、電子商取引の販売業者や配送事業者が発送を制限していると報じた。対象として確認された商品には、刃物、スプレー式製品、無人機とその関連部品などが含まれる。
規制の実施時期や対象商品は、事業者の案内によって異なっている。地方当局はAPECに向けて宅配・物流の安全対策を強化する方針を公表しているが、個々の商品について全国一律の禁止措置が取られたことを示すものではない。
スプレーや刃物の発送を制限
聯合報によると、深圳の消費者がインターネット通販でスプレー式のドライシャンプーを注文しようとしたところ、販売業者から配送制限のため発送できないと案内された。
販売業者は、深圳向けの圧力容器を使った商品の配送が規制対象となっていると説明した。案内では10月12日から11月19日までの期間が示されていたという。
別の消費者からも、はさみや刃物、蚊取り用品、スプレー式消臭剤などについて、深圳の住所を指定すると販売対象地域外と表示されたり、注文の取り消しを求められたりしたとの報告があった。
ただし、これらは通販サイトや販売業者の対応を取材した内容であり、当局がすべての商品を同一条件で禁止したと確認されたわけではない。
無人機の買い取りも一時停止
無人機などの中古製品を買い取る事業者「楽回収」は10月29日、APECに伴う安全管理措置の影響で、深圳地区の無人機と関連部品の買い取りを11月1~20日に停止すると発表した。
同社は11月21日から通常の買い取りを再開する予定と説明した。
一方、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、アクションカメラ、スタビライザー、マイクなど、無人機以外の製品は通常どおり取り扱うとしている。
この告知は、特定企業の事業運営に関するものであり、深圳市内のすべての無人機販売や所有を禁止するものではない。
無人機の飛行規制、製品の販売規制、宅配便による発送制限、買い取り事業者の自主的な業務停止は、それぞれ区別する必要がある。
広東省、9月から物流安全対策を準備
広東省郵政管理局は9月10日、省公安庁と共同でAPEC首脳会議に向けた宅配・物流の安全対策会議を開催した。
翌11日に公表された公式発表によると、会議には省内の郵政管理当局や主要宅配事業者の責任者が参加した。
会議では、物流事業者の安全管理責任を明確にし、危険物などが配送網に入り込むことを防ぐため、荷物の受け付けから輸送までの各段階で検査や管理を徹底するよう求めた。
また、荷物の発送元での安全確認、問題のある荷物の追跡、公安機関との連携、従業員の教育などについても指示した。
当局は、宅配事業者の省内本部が傘下の営業拠点を統一的に管理し、安全上の問題を発見した場合に迅速に対応する体制を整えるよう求めている。
市政府に臨時措置の権限
聯合報によると、深圳市人民代表大会常務委員会は9月30日、APEC首脳会議の準備・開催期間中、市政府が公共安全、都市管理、交通運輸に関する臨時的な行政措置を定めることを認めた。
同報道では、臨時措置の実施期限は11月30日とされている。
こうした権限付与と、個別の通販事業者が実施している配送制限は別の事項である。どの商品が、どの地域で、どの期間、どの法令や行政措置に基づいて規制されるかについては、個別の通知や配送事業者の取扱規則を確認する必要がある。
商品によって制限期間に違い
今回確認した事業者の案内では、圧力容器を使った商品について10月12日~11月19日、無人機関連製品について11月1~20日と、異なる制限期間が示されている。
一方、広東省郵政管理局の9月の発表は、APEC期間中の物流安全対策全般を対象としており、個々の商品についてこれらの期間を一律に指定したものではない。
現時点で確認できるのは、APEC開催を前に地方当局が宅配・物流の安全管理を強化していることと、実際に一部の事業者が特定商品の発送や買い取りを制限していることである。
規制対象となる商品の完全な一覧や、深圳市内の全配送事業者に共通する取扱条件については、今回確認した資料だけでは確定できない。
